キラキラネーム終焉へ? 「古風な名前に回帰」説を調べてみた

「~太郎」「~子」といった「古風」な名前の子供が増えているとの声が、あちこちで聞かれるようになってきた。「キラキラネーム」への反動とも言えそうなこの“ウワサ”。3社が提供する子供の名づけランキングから真相を検証してみた。

《キラキラネーム》
いわゆる奇抜で読めない名前、人の名前の常識から外れた名前。「DQN(ドキュン)ネーム」とも呼ばれる。当て字などを用いたものも多数ある。今でも相当数増えており、現実に、学校で先生に名前が読めないと不愉快な顔をされたり、病院の受付で混乱が生じるなど様々な問題も起きている。

ネットで囁かれる“ウワサ”「周囲に古風な名前の子供が増えてる」

「最近生まれた友達の子供たち、みんな古風な名前」

「そうすけに蔵之介、幸太郎に春之助…DQNネームのオンパレードじゃなくてほんと良かった」

歴史上の人物?「逆に古風をこじらせた名前が多い」

@sakura_lotusさんは「今10歳くらいの子供にギョッとする名前の子供結構多くて最近の子供は逆に古風を拗らせた名前が多い。おじいさんというより歴史上の人物みたいな」とツイートしている。

@sakura_lotus〔2015年2月24日 twitter〕

日経コラムが取り上げた「揺り戻し」

「『○○子』や『○○男』は『キラキラネーム』の揺り戻し」

4月11日付の日本経済新聞の「NIKKEIプラス1」内のコラムは、約20年前から「無理な当て字を使った」キラキラネームが流行したが、つけられた子供側も大人になり、改名するケースが出てきていると指摘。その反動で、「子」や「男」といった昭和時代に多くみられた名前へ「揺り戻し」の動きあると伝えた。

コラムが紹介した「シワシワネーム」の表現をめぐって論争に

同コラムは、「昔はよく見かけた名前が『シワシワネーム』と呼ばれて、再び注目されているらしい」と、古風な名前がネット上で「シワシワネーム」と表現されていることを紹介し、ネット上では多くの反発も招いた。

古風な「シワシワネーム」がキラキラの次に流行る? ネーミングをめぐって大激論に〔2015年4月19日 THE HUFFINGTON POST〕

「喧嘩売ってんのかこのライターは」

コラムを取り上げ「うちの娘に『わたしの名前ってシワシワネーム?』って聞かれて何言ってんだと思ったらこんな記事が。…喧嘩売ってんのかこのライターは」といった辛辣な批判ツイートも。

〔2015年4月11日 happy sakikoさんのツイート〕

専門家も「流れが変わってきている」

「奇抜な名づけに対する揺り戻しを、今年あたりから感じている」(命名研究家の牧野恭仁雄氏)

命名研究家の牧野恭仁雄氏は「奇抜な名づけに対する揺り戻しを、私も今年(2015年)あたりから感じている。1年ごとのランキングではわからないことも、名づけ相談をたくさん受けていると、かなりリアルタイムに流れが変わってきているのがわかる」と話す。

キラキラネーム頭打ちか 古風な「子」や「太郎」に回帰傾向

男の子なら「~太郎」「~一郎」「~之介」、女の子なら「~子」を希望する親が増えている(牧野氏)

牧野氏が受ける名づけの相談では、男の子の場合、一時期少なくなった「~太郎」「~一郎」「~之介」といった三文字名前を希望する人がかなり多く、音読みの名前も好まれているという。女の子の場合は、「確かに“子”がつく名前を好む方は、2、3年前から増えつつある」という。

キラキラネーム頭打ちか 古風な「子」や「太郎」に回帰傾向

《「子」の由来》

もともと「子」は、身分の高い男性の名につけられていた。平安時代以降は、子型の名前は貴族の女性名として広がり、明治時代あたりに庶民にも普及したとされている。

キラキラネーム頭打ちか 古風な「子」や「太郎」に回帰傾向

「古風」増えた? 名づけランキングを調べてみた

結果、「回帰」傾向とは言えなさそう…?

「イザ!」編集部では、2010~15年の大手3社の名づけランキング(上位100位)を分析。男の子の「~太郎」「~一郎」「~之介」「~郎」「~介」、女の子の「~子」などの名前の数と順位の推移を追ったところ、明らかに「回帰」といえる傾向は確認できなかった。もっとも、ランク外の変動など、水面下でトレンドが変わりつつある可能性は捨てきれないのだが…。

男の子の「~太郎」「~一郎」「~之介」は過去5年、増減を繰り返している

雑誌「たまひよ」の「名前ランキング」(男女別)の2010~14年を見ると、男の子の「~太郎」「~一郎」「~之介」「~郎」「~介」といった名前は、2010年は6つ、11年は3つ、12年は3つ、13年は5つ、2014年は2つ…と増減を繰り返していることがわかった。

たまひよ 人気名前ランキング〔たまひよ〕

名前
2010年 虎太郎(8位)、琥太郎(15位)、颯介(32位)、龍之介(57位)、蒼介(67位)、虎太朗(79位)
2011年 龍之介(61位)、琥太郎(74位)、颯介(88位)
2012年 龍之介(5位)
2013年 颯介(53位)、龍之介(67位)、蒼介・虎太郎(80位)、琥太郎(100位)
2014年 颯佑=そうすけ(90位)
※たまひよ「名前ランキング」より

女の子の「~子」は毎年、2~3つは100位以内にランクイン

明治安田生命による「名前ランキング」(男女別)結果を、2010~14年の5年間で比較してみると、女の子で「子」の付く名前は、毎年2~3つは100位以内にランクインしていることがわかった。

名前ランキング2014〔明治安田生命〕

名前
2010年 莉子(2位)、菜々子(99位)
2011年 莉子(5位)、結子・璃子(95位)
2012年 莉子(26位)、茉子(47位)、桜子(97位)
2013年 莉子(21位)愛子・菜々子(88位)
2014年 莉子(14位)、桃子・柚子(87位)
※明治安田生命「生まれ年別の名前調査」より

「~子」は4年連続で減少中とするランキング結果も

リクルート スタジオのスマホ向けアプリ「無料 赤ちゃん名づけ」が提供する「赤ちゃん名づけ年間トレンド」(男女混合)の2012~15年を比較すると、100位以内に見られる女の子の「~子」という名前は2012年は6つ、13年は5つ、14年は4つ、15年は3つ―と、年々わずかながら減っていることがわかった。

名前ランキング〔無料 赤ちゃん名づけ〕

名前
2012年 陽子(5位)、裕子(10位)、智子(16位)、久美子(25位)、由美子(27位)、直子(30位)
2013年 陽子(47位)、智子(49位)、裕子(58位)、莉子(85位)、久美子(87位)
2014年 莉子(70位)、裕子(87位)、陽子(94位)、久美子(99位)
2015年 文子(17位)、徳子(38位)、昌子(84位)
※無料 赤ちゃん名づけ「赤ちゃん名づけ年間トレンド」より

「文子や徳子といった名前は偶然ある期間に出てきたものかも」(牧野恭仁雄氏)

「赤ちゃん名づけ」による、2015年の男女別ランキングで女の子側の9位に「文子」、19位に「徳子」が入ったことについて、命名研究家の牧野恭仁雄氏は「文子や徳子といった名前は偶然ある期間に出てきた名前かもしれないので、必ずしもこれらが復活してきた名前とは言えない」と指摘する。

キラキラネーム頭打ちか 古風な「子」や「太郎」に回帰傾向

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