※画像と本文は関係ありません(Thinkstockより)

車内の携帯マナーが変わる!「混雑時には電源をお切りください」

従来「優先席付近では電源オフ」を呼び掛けていた電車内での携帯電話の使用マナー。総務省の指針改正などを受け、JR東日本など関東甲信越・東北の鉄道事業者37社・局は、10月1日以降、「混雑時のみ」に変更すると発表した。そもそもなぜこれまで「オフ」だった?

《携帯電話の電波が医療機器に及ぼす影響》
携帯電話の電波が医療機器に及ぼす影響については、平成17年に策定された「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」で定められていた。しかし、「第二世代」携帯電話(ドコモの「ムーバ」等)がサービスを終了し、第三世代(3G)以降の電波による影響に関して調査研究が進められていた。

車内マナー「混雑時には電源オフ」に変更

電車内「携帯電源オフ」ルールが10月から緩和へ

JR東日本をはじめとする関東・甲信越・東北地方の鉄道事業者37社局は、10月1日以降、車内の優先席付近での携帯電話マナーを見直すと発表。

電車内「携帯電源オフ」ルール、10月から緩和へ 混雑時除く

優先席付近では電源切るよう呼びかけ⇒「混雑時のみ」に変更

総務省の指針改正や、スマートフォン普及など携帯電話の利用形態の変化などを踏まえたもので、「優先席付近では携帯電話の電源をお切りください」から、今後は「優先席付近では、混雑時には携帯電話の電源をお切りください」と案内される。

電車内「携帯電源オフ」ルール、10月から緩和へ 混雑時除く

現行ルールは平成17年から導入

規制ルールをめぐっては、携帯電話から出る電波が心臓ペースメーカーなど医療機器に影響を及ぼす恐れがあるとの理由から、平成17年に関東の鉄道事業者が統一して現行ルールを設定。その後、東北や甲信越の鉄道事業者も順次、同様の規制ルールを導入していた。

電車内「携帯電源オフ」ルール、10月から緩和へ 混雑時除く

関西圏では既に昨年7月から実施していた

昨年7月には、関西の私鉄24社が加盟する関西鉄道協会と西日本旅客鉄道(JR西日本)は優先席での携帯電話電源オフキャンペーンを中止。阪神電鉄では平成15年から携帯電話電源オフ車両を走らせていたが、これもなくなった。

優先席付近での「携帯電話の電源オン」 関西では解禁され、関東はいまだNGの理由とは?〔2014年9月11日 ビジネスジャーナル〕

車内アナウンスやポスターなどで周知徹底

2015年9月17日プレスリリース(JR東日本より)

2015年9月17日プレスリリース(JR東日本より)

なぜ今まで「オフ」だった?

平成7年~、携帯電話の電波が医療機器に及ぼす影響が確認された

平成7年度から平成8年度に不要電波問題対策協議会が実施した「第2世代」と呼ばれる携帯電話端末を用いた実証実験において、日本独自の方式・周波数帯で大きな影響が確認された。それらを基に、携帯電話端末から発射された電波が植込み型医療機器(ペースメーカーなど)に及ぼす影響を防止するための指針として、「22cmの距離指針」が定められていた。

電波の医療機器等への影響に関する調査研究報告書〔PDF:総務省 平成24年3月〕

平成17年には、総務省が「指針」を策定…調査研究を進めてきた

平成17年には「各種電波利用機器の電波が植込み型医療機器へ及ぼす影響を防止するための指針」が総務省より策定された。総務省は平成17年度から毎年、携帯電話の電波が医療機器に及ぼす影響を調査し、その結果に基づき、指針の改訂を行ってきた。

電波の医療機器等への影響に関する調査研究報告書〔PDF:総務省 平成24年3月〕

平成24年7月、旧世代の携帯サービスが終了…「15cmを新たな指針」として改訂された

平成24年7月、「第2世代」携帯電話のサービスが終了。これを受け、「第3世代(3G)」以降の携帯電話に対する新たな調査を行い、第2世代と比較してその影響は小さくなる傾向にあることなどから、これまでの「22cmの距離指針」を変更し、「15cmを新たな距離指針」として改訂した。

電波の医療機器等への影響に関する調査研究報告書〔PDF:総務省 平成24年3月〕

総務省が配布しているリーフレット。「15cm程度以上離す」などの規定が書かれている(総務省より)

総務省が配布しているリーフレット。「15cm程度以上離す」などの規定が書かれている(総務省より)

指針緩和の背景に…

ペースメーカーの改良やスマホなど機能の向上も

総務省の指針緩和の背景には、ペースメーカーが電波の干渉を受けにくく改良されてきたのに加え、普及が進むスマートフォンもLTEが主流となり、弱い電波でも通信できるようになったことがある。

電車内携帯オフは日本だけ…「電波は危険」誤解も

専門家からは「正しい理解妨げる」などの指摘もあった

専門家からは「電源オフをうたうことが『携帯電話の電波は危ない』というメッセージとなり、携帯電話の電波や医療機器への正しい理解の妨げになっている」との指摘もされていた。

電車内携帯オフは日本だけ…「電波は危険」誤解も

定着していた携帯電話の“危険説”…トラブルも相次いでいた

いったん定着した携帯電話の“危険説”は、患者に対してだけでなく、一般の人々への影響も大きい。JR京浜東北線で6月、優先席でタブレット端末を使っていた男性に対し、隣に座っていた70代男性が注意し、口論の末に包丁を突き付ける事件が発生。乗客約50人が線路上に逃げ出し、隣接路線も一時運転を見合わせる事態になった。

東京メトロは、ルール緩和が実現すればトラブルが減ると予測

東京メトロは、自社の路線でも、同様の要因でトラブルが発生していることを明かし、ルール緩和が実現すればトラブルが減ると予測している。

JR東日本、電車内の携帯電話「電源オフ」ルール緩和へ ペースメーカーに影響なし

日本心臓ペースメーカー副会長「安全性の周知とともに、携帯電話の利用マナーも」

日本心臓ペースメーカー友の会副会長で、自身もペースメーカーを利用している日高進さん(85)は、ルール緩和を歓迎する一方で、「『大丈夫』とは言っても心配な人はいると思う。安全性の周知を徹底するとともに、携帯電話の利用マナーも引き続き守ってほしい」と話している。

JR東日本、電車内の携帯電話「電源オフ」ルール緩和へ ペースメーカーに影響なし

進む規制緩和

昨年8月からは…病院内でも利用OK

総務省は昨年8月、病院など医療機関における携帯電話の使用制限を緩和する新たな指針をとりまとめた。手術室や集中治療室(ICU)を除き、携帯電話の電源を入れることを認める。電波の影響が懸念される医療機器からは、目安として約1メートル離して使うことも示された。各医療機関は今後、新指針を参考にそれぞれのルールを策定し、運用していくことになる。

病院でも携帯OK! 総務省が新指針

⇒待合室や病室、食堂、廊下での通話・メール等が原則可能に

待合室や病室、食堂、廊下での通話・メール等が原則可能となる。診察室では、診察の妨げとなる通話は禁止とする。共用の病室では通話を控えるなどマナー上の配慮も求める。

病院でも携帯OK! 総務省が新指針

昨年9月からは…機内モード解禁、飛行機内でも常時使用できる

これまで規制されていた飛行機内での電子機器の利用も昨年9月に大幅に緩和された。条件付きながらスマートフォンやデジタルカメラなどを離着陸時も含めて常時使うことができるようになった。

機内でも病院でも スマホ利用、進む規制緩和〔2014年9月1日〕

⇒スマホやタブレット、ノートパソコン、デジタルカメラ、なども

機内ではこれまで「電波を発する電子機器は電源オフ」「電波を発しない電子機器も水平飛行中のみ利用可能」と厳しい制限が課されていたが、ボーイング777型機など電波への耐性を確認できた一部の飛行機なら、スマホやタブレット、ノートパソコン、デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤーなどを常時使い続けることが可能になった。電波の利用についても、引き続き携帯電話網で通話・通信することは禁止されているが、機内で無線LAN(Wi-Fi)やブルートゥースなどを用いてデータ通信してもよい。

機内でも病院でも スマホ利用、進む規制緩和〔2014年9月1日〕

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