長野県「淫行条例」ないゆえの“顛末”

A子を男子中学生を買春した容疑で摘発した長野県警安曇野署=同県安曇野市

全国の都道府県で唯一、未成年に対する淫行の禁止などを定めた「青少年健全育成条例」を持たない長野県。同条例がないことによる弊害を象徴する事件の“顛末”は-。

《淫行条例(淫行罰則規定)》

18歳未満の男女との「みだらな行為」などを処罰する規定を設けた条例で、地方自治体の「青少年健全育成条例」に盛り込まれているのが一般的。東京都では違反した場合、「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」とし、自治体により罰則内容は異なる。

全国唯一、条例ない長野 淫行被害16件19人…25、26年

中3男子にみだらな行為

■長野県の主婦を逮捕

長野県警は2014年9月25日、中学3年の男子生徒に対する児童買春・ポルノ禁止法違反(児童買春)と脅迫の疑いで、同県安曇野市豊科、無職、福田理恵容疑者(35)を逮捕した。

中3男子にみだらな行為 別れ話に脅迫も 容疑の35歳女逮捕

■別れ話に脅迫も

逮捕容疑は、男子生徒が18歳未満と知りながら、7月下旬に現金数千円を払う約束をして自宅でみだらな行為をし、その後、縁を切りたいと言った生徒に、無料通信アプリLINEで「知人に今までのことをばらす」とのメッセージを送り脅したとしている。

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条例がないことによる“弊害”を象徴する事件

■児童買春の容疑については証拠不十分として不起訴

女が未成年の男子に手を出す例は珍しい。世間の注目を集めたのだが…。女性はその後、児童買春の容疑については証拠不十分として不起訴に。

中3男子・買春容疑の主婦…長野県「淫行条例」ないゆえの“顛末”

■脅迫容疑で罪は罰金10万円のみ

脅迫容疑で略式起訴され、昨年10月中旬に長野地裁松本支部で有罪判決が下されたが、罪は罰金10万円のみだった。

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■「もし条例があれば…」

全国の都道府県で唯一、未成年に対する淫行の禁止などを定めた「青少年健全育成条例」を持たない長野県。ある捜査関係者は「もし条例があれば、買春の証拠が不十分でも淫行容疑で起訴できたはずだ」と話す。長野県に同条例がないことによる弊害を象徴する事件となった。

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長野県には「淫行罰則規定」がない

■全国で唯一…淫行処罰規定を含む青少年健全育成条例を制定せず

同県が条例を制定してこなかったのは、県民総ぐるみの運動で子供たちの健やかな成長を見守るとしてきた伝統があるため。歴代知事は「青少年健全育成条例は制定しない」と明言してきた。

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■条例がないことを「美徳」や「誇り」

条例を制定しない気風は、警察権力の拡大に反対する共産党県議団などにとどまらず、保守的立場をとる自民党県議団の県議の間にも根強い。産経新聞の記者は、「条例がないことを、県政界があたかも長野県の『美徳』や『誇り』にしているかのようだ」と指摘する。

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