(画像と本文は関係ありません、Thinkstockより)

服の上からでも逮捕される 「盗撮行為」境界線は

 最近は服の上からの撮影でも盗撮行為として逮捕されるケースが急増。どこからが盗撮行為にあたるのか。境界線を探った。

《ズボン姿の女性を盗撮で逮捕》

 平成26年10月、静岡県御殿場市のアウトレットモールで、県職員の男性がスマートフォンで女性の下半身を盗撮し、逮捕された。当時、女性はスカートではなくズボンを着用していたが、県迷惑防止条例が定める「卑わいな言動」に該当するとされた。

【衝撃事件の核心】「ズボン姿の女性」を後ろから撮り「盗撮」で逮捕…広がる“グレーゾーン”

「どこが盗撮なのか?」疑問の声

■犯罪だという認識なく

 逮捕された男性は、細身のズボンをはいた女性の5メートルほど後ろからついて回り、数十秒間にわたって動画撮影を行った。「スカートの中を撮っていたのではない。犯罪だという認識がなかった」と弁解していたという。

ズボン姿の女性を「盗撮」で逮捕…広がる“グレーゾーン”

■「卑わいな言動」とは

 男性の行為は、県迷惑防止条例が定める「卑わいな言動」に該当するとされた。平成20年11月の最高裁判所の判例によれば、卑猥な言動とは「社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作」と定義されている。

ズボン姿の女性を「盗撮」で逮捕…広がる“グレーゾーン”

■もし女性の全身だったら…

 捜査関係者は「男性は、女性のお尻をアップで長時間撮影していた。たとえ下着が写っていなくても、羞恥心を与える行為、すなわち“卑猥な言動”と認められる。もし女性の全身を写していたのなら、逮捕は難しかったかもしれない」と話した。

ズボン姿の女性を「盗撮」で逮捕…広がる“グレーゾーン”

■たとえ服の上からの撮影でも、撮影した部位や撮影時間、被写体との距離などによっては、条例違反となる場合がある

ズボン姿の女性を「盗撮」で逮捕…広がる“グレーゾーン”

《迷惑防止条例》

 他人からの迷惑な行為や、危険を感じる行為を防ぐために制定された条例の総称。全47都道府県や一部市町村がそれぞれ制定している。違反の対象は、盗撮▽痴漢▽のぞき▽つきまとい▽暴力▽客引き-など多岐にわたる。被害者の親告がなくても提訴可能。罰則の規定は自治体ごとに異なり、東京都の場合、盗撮は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」となっている。

【ネットろんだん】電車内の女性盗撮 着衣姿でも逮捕の背景は…

「服の上からの盗撮」摘発相次ぐ…懸念の声も

電車内でのスマートフォン操作は「盗撮」を疑われないようご用心!?

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■電車内の女性やチアダンスの女子高生

 昨年、川崎市職員の男性が電車で隣に座っていた女子大生の全身を盗撮したとして逮捕された。相模原市ではチアダンス中の女子高生の太ももなどを撮影した男2人を逮捕。いずれも、神奈川県迷惑防止条例違反(卑猥な言動)が適用された。

ズボン姿の女性を「盗撮」で逮捕…広がる“グレーゾーン”

■もう街では写真を撮れない!?

 こうした事件を受け、ネットでは「街の風景撮ってたときに、通りかかって写った女性が警察に通報したら逮捕されちゃうの?」「日常の何げないスナップショットも全部禁止になるのかな」などの声が上がった。

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■窮屈な社会に?

 倉持麟太郎弁護士は、街中のスナップ写真や観光地での記念撮影などが、場合によっては盗撮行為とされてしまう危険性を示し、「合法的な行動までもが“自主規制”の形で抑制され、窮屈な社会に変質してしまう」と警鐘を鳴らす。

ズボン姿の女性を「盗撮」で逮捕…広がる“グレーゾーン”

■「スマホがあふれている現代社会だからこそ、条例の規定は可能な限り明確にするべき」(倉持弁護士)

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