無人機、「ラジコンと同様」は危険 米では商業利用解禁に慎重論

無人機(無人飛行型ロボット)の増加によりさまざまな懸念が浮上してきたことから、政府は、航空法を改正し、無人機を規制する方針を固めた。米では、商業利用解禁に慎重な向きもあるが―。

《「航空法」細かい規制なし(2014年12月時点)》
現状の航空法は航空機を「人が乗っていること」と定義しており、無人機への細かい規制はない。同法では、ラジコンについて「航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為」を除けば自由に飛ばせられるとされており、基本的に無人機も同様に扱われている。

生活を豊かに…活躍の幅広がる「無人機」

■災害対策、広大な土地の点検向けに事業参入が急増

国内では東日本大震災以降、災害対策など向けに無人機への事業参入が急増しており、すでに数千機が使用されているという。例えば、綜合警備保障(ALSOK)は「ドローン」と呼ばれる無人の小型飛行機を活用し、2014年10月から大規模太陽光発電所の定期点検サービスを始めている。

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■米アマゾンが宅配事業で実験中

米国ではドローンとGPSを組み合わせた荷物の宅配事業の実証実験も始まっている。米ドミノピザも英国法人が開発した「ドミコプター」によるピザの宅配サービスの映像を公開するなど、多くの企業が無人機の利用を検討中。

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■グーグル、無人機経由でのネット通信を計画中

米IT大手グーグルは2014年4月、無人機製造ベンチャーの米タイタン・エアロスペースの買収で合意。無人機を衛星のように活用し、アフリカなどインターネット接続が困難だった地域で、無人機を経由した通信を実現する狙い。

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■米FBも空から無線電波を送るネット接続サービスを計画中

米フェイスブックは、途上国などインターネット環境が未整備の地域で空から無線電波を送りネット接続を可能にすることを目的に、超大型のソーラー式無人機の試験飛行を2015年に計画している。FBは当初、タイタン・エアロスペース社の買収をもくろんでいたが、米グーグルに奪われた。

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米タイタン・エアロスペースが開発する無人機のイメージ図=3月4日(タイタン・エアロスペース提供・AP)

米タイタン・エアロスペースが開発する無人機のイメージ図=3月4日(タイタン・エアロスペース提供・AP)

米、商業利用「解禁」に慎重

アマゾンが公開した無人機による配達試験(アマゾン・ドット・コム提供、共同)

アマゾンが公開した無人機による配達試験(アマゾン・ドット・コム提供、共同)

■米ではまだ「商業利用」は禁止

2007年以降、米国では無人機の商業利用は違法。米連邦航空局(FAA)は現在、軍事目的に限定されている無人機の商業利用を来年秋にも解禁する方向で検討中。

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■「民間航空機と無人機があわや衝突」の事例

米国では2014年5月、フロリダ州の空港近くで民間航空機と正体不明の無人機があわや衝突寸前のニアミスを起こしていた事例がある。 FAAはこの事例を機に、多数の無人機が米国の空を飛び回ることの危険性に配慮し、商業利用の認可に慎重になっていると見ることができる。

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■認可下りても安全性に懸念

米連邦航空局は2014年6月、初の商業利用として石油大手BPがアラスカ州内の施設の維持管理のために無人機を利用することを認可した。一方で、米国立公園局は同月、安全性への懸念から国立公園での使用を禁じる方針を打ち出している。

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■アマゾン「空飛ぶ宅配便」も実現危うい?

米連邦航空局が2014年6月23日に公開した「無人機の飛行に関する規制とその解釈」に、違法な商用サービスの例として、「有料による小包の配達」を挙げた。米メディアは、FAAが新ルールの策定前にあえて禁止事例として挙げたことから「実現は困難になった」と伝えた。

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日本国内、無人機の運用「法整備」へ

■現状、航空法ではラジコンと同じ扱い

航空法は、ラジコンについて「航空機の飛行に影響を及ぼすおそれのある行為」を除けば自由に飛ばせられるとされており、基本的に無人機も同様。空港周辺など航空交通管制圏を除けば地上から250メートルまで、航空路内でも地上から150メートルまでの高さであれば、届け出や申請せずに飛ばすことが可能。

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■さまざまな懸念が浮上

災害対策や農薬散布といった無人機の利用事業例が増え、事故やプライバシーの侵害、軍事転用など安全保障上の懸念も浮上してきたことから、具体的な運用ルールを明確化する方針。

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■航空法以外の法律を改正

政府は、2015年1月の「ロボット革命実現会議」を開き、電波法や不正アクセス禁止法など無人機運用に関連する航空法以外の法律の改正を含め平成31年度までの5カ年の実行計画案を発表する予定。

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