若者の恋愛離れ…なぜ「面倒くさい」と感じるのか

「若者の恋愛離れ」が指摘されて久しい。国や民間の調査によると、その理由のトップは「恋愛が面倒くさい」だという。なぜ、若者はそう感じるのか。ネットやSNSが浸透した現代ならではの背景も見えてきた。

《新成人、5人に1人が「片思いの経験もない」》
結婚情報サービス会社「楽天オーネット」の調査によると、今年の新成人全体で「片思いの経験もない」と答えた人が19.8%に上った。交際経験ゼロの人は42.8%。一方、交際相手がいるのは4人に1人の26.2%だった。

若者の「恋愛離れ」顕著に

独身男性の70%が「交際相手いない」…「性経験なし」も増加

交際相手がいない独身者の割合が男性69.8%、女性59.1%と過去最多となったことが9月15日、国立社会保障・人口問題研究所の調査で分かった。性交渉の経験がない独身者の割合も男性42%、女性44.2%と男女とも増加した。(調査は5年ごと、今回は平成27年6月に18~34歳の独身者5276人が回答)

独身男性7割「交際相手いない」 「性経験なし」も増加

「交際相手が欲しい」新成人も減少傾向。2000年の90%から64%に

結婚情報サービス会社「楽天オーネット」が今年の新成人を対象に行った調査によると、「交際相手が欲しい」と答えた新成人は男女とも約64%と全体の3分の2を割り込んだ。2000年には約90%と、ほぼ誰もが「交際相手がほしい」と答えていたが、2013年以降その割合は減少している。

2016年新成人の恋愛・結婚意識〔2016年1月5日 オーネット〕

交際相手が欲しくない理由、男女ともに「面倒くさい」がトップ

内閣府が平成27年6月に公表した「結婚・家族形成に関する意識調査」では、「恋人が欲しいか」の問いに、恋人がいない未婚男女の40%が「欲しくない」と回答し、その理由は「恋愛が面倒」(46.2%)が最多だった。(調査は平成26年12月~平成27年1月に実施。全国の20~39歳の男女2643人が回答)

草食どころか絶食に?! 恋愛しない若者が急増中

なぜ「面倒」と感じるのか

SNSの浸透で行動丸見え、嫉妬も拡張…恋愛を嫌がる要因に

恋愛しない若者たち」の著者、牛窪恵氏によると、若者はSNSで常につながり、行動がすべて可視化されてしまっている。恋人のスマホやSNSをつい見てしまい、別の異性とのやり取りに焼きもちを焼いたり、逆に嫉妬されたりすることが、恋愛を「もう嫌だ」「面倒だ」と感じさせる要因になっていると指摘する。

女子の4人に1人は恋人のケータイをチェック! LINEがしんどい恋愛生む〔2016年1月5日 Business Journal〕

信頼できるのは自分の親だけ…増える「親ラブ族」

教育評論家の尾木直樹氏によると、SNSなどに疲れ、最後に信頼できるのは自分の親ということで、親との距離が縮まり、若者の自立が遅れているという。前出の牛窪氏は、親と一緒に買い物に出かけたり休日を過ごしたりする子供たちを「親ラブ族」と命名。

交際相手不要…なぜ?「若者の恋愛離れ」〔2016年1月20日 日テレNEWS24〕

非正規雇用が多く、デートなど恋愛にかかる費用を捻出できない

そもそも異性と付き合うには、デートで着る服や食事、遊びにかけるお金が原資として必要。恋愛学などの講義を持つ早稲田大学の森川友義教授は「今の若者の雇用形態は多くの場合が非正規。自身が暮らしていくのがやっとで恋愛にかかる費用を捻出できない」と指摘する。

草食どころか絶食に?! 恋愛しない若者が急増中

恋愛の代わりにアイドルやアニメ、ゲームなど「ときめき」が豊富

少子化ジャーナリスト・白河桃子氏は「日本は世界最大の『萌え』生産国で、アイドルやアニメ、ゲームなど、恋愛の代わりに『ときめき』を与えてくれるものがいくらでもある。恋愛と違い、相手から傷つけられることもない」と指摘する。

識者はどう見る? 恋愛しない若者たち〔2015年8月14日 YOMIURI ONLINE〕

セックスへの関心低下? 「添い寝フレンド」という言葉も

セックスやキスはせず、ただ異性と添い寝しあうだけの関係の「添い寝フレンド」(略して「ソフレ」)という言葉が、若者の間で使われている。一般社団法人「日本家族計画協会」理事長の北村邦夫さんは「若者は相手がいるセックスに対して関心が低い。セックスに至るまでのコミュニケーションに煩わしさを感じる人が増えているのではないか」と話す。

若者の恋愛 添い寝をしても「友達」〔2015年7月31日 YOMIURI ONLINE〕

ネットにも生々しい声

「休日はとにかく寝たい」

「ネットで楽しいことが山ほどある」

「金がなきゃ結婚出産出来るわけない」

恋人のいない男女の特徴は

「確実性のないもので後悔したくない」コスパ意識の高い男性

恋愛に悩む多くの男女の本音に接してきたコンサルタントの木村隆志氏によると、恋人のいない男性に顕著なのがコスパ意識の高さ。衣食住すべてで「確実性のないもので後悔したくない。ある程度でいいから確実に満足したい」という気持ちがあり、それは恋愛面でも同じ。一目ぼれでもしない限り、目の前の女性に時間とお金をかけたがらないという。

恋人いない?いらない?若者たちのホンネ〔2016年9月27日 読売新聞〕

「友達と遊ぶほうが楽しい」自ら恋を手放してしまう女性

木村氏はまた、恋人のいない女性には恋に自らブレーキをかけてしまう人が多いと指摘。ブレーキをかける理由は「あまり気が合わない」などの拙速な判断や、「この人といるより友達と遊ぶほうが楽しい」などの不合理な比較によるもの。一歩踏み込めない自分をごまかすように、女友達や趣味を優先させてしまうという。

恋人いない?いらない?若者たちのホンネ〔2016年9月27日 読売新聞〕

一方で、「いずれ結婚するつもり」の独身者は90%

国立社会保障・人口問題研究所の調査では、いずれ結婚するつもりと考える独身者は男女とも90%弱おり、同研究所は「結婚したい意欲は引き続き高いが、積極的に異性を求めないまま先送りしている」と分析した。

独身男性7割「交際相手いない」 「性経験なし」も増加

深刻な少子化、どうすればいいのか

直近の「合計特殊出生率」は1.42…人口維持に程遠い水準

1人の女性が生涯に産むと推定される子どもの数「合計特殊出生率」は、2005年に戦後最低の1.26に落ち込んだ。直近の2014年は1.42。人口を保つ目安は出生率2.07。わずかに回復基調にあるが、足元は人口維持に程遠い水準で、将来の少子高齢化は深刻な状況になっている。

「希望出生率1.8」とは言うけれど… 目標達成、険しい道〔2015年11月14日 日本経済新聞〕

男女が出会うチャンスを広げることが重要

恋愛学などの講義を持つ早稲田大学の森川友義教授は「出会いがなければ何も始まらない。行政が婚活やお見合いパーティーをしているのは評価できる。少子化を防ぐためにも、男女が出会うチャンスを広げることが重要だ」と話す。

識者はどう見る? 恋愛しない若者たち〔2015年8月14日 YOMIURI ONLINE〕

働きながら子育てができ、『失敗しても何とかなる』環境が必要

少子化ジャーナリスト・白河桃子氏は「男女ともに働きながら子育てができる社会になることが必要」と指摘。また「仮に結婚や出産後に相手と別れても、『失敗しても何とかなる』環境があれば、恋愛に積極的になれるのではないか」と話す。

交際相手不要…なぜ?「若者の恋愛離れ」〔2016年1月20日 日テレNEWS24〕

注目まとめ

    アクセスランキング

    もっと見る

    ピックアップ

      どう思う?

      「どう思う?」一覧

      注目のテーマ