航空会社「安全」「サービス」格付けランキング 2016年版

羽田空港で発生した大韓航空機の出火事故は、航空機事故のリスクを改めて浮き彫りにした。専門サイトや調査会社が評価する「安全度」「ホスピタリティー」ランキングを参考にし、旅行や出張の際のキャリア選びの目安にしたい。

《羽田空港での大韓航空機出火事故》
2016年5月27日午後、東京・羽田空港の滑走路で、羽田発ソウル行き大韓航空2708便(ボーイング777)の左翼エンジンから出火した。バードストライクなどにより異物が入った可能性は低く、タービンに何らかの異常が起きたとみられ、30日現在、日米韓の運輸安全委員会の調査官らが調査中。〔産経新聞

豪専門サイトが評価「世界の安全な航空会社」

3年連続でカンタス航空が1位に

2016年 世界の安全な航空会社 20社
カンタス航空(豪)〔1位〕
ニュージーランド航空
アラスカ航空(米国)
全日空
アメリカン航空
キャセイパシフィック航空(香港)
エミレーツ航空(アラブ首長国連邦)
エティハド航空(アラブ首長国連邦)
エバー航空(台湾)
フィンエアー(フィンランド)
ハワイアン航空(米国)
日本航空
KLMオランダ航空
ルフトハンザドイツ航空(独)
スカンジナビア航空
シンガポール航空
スイス・インターナショナル・エアラインズ
ユナイテッド航空(米国)
ヴァージン・アトランティック航空
ヴァージン・オーストラリア航空
※1位以下はアルファベット順

Who are the world's safest airlines for 2016?〔2016年1月5日 AirlineRatings(英語)〕

監査や事故の記録、運航状況などをもとに格付け

豪の航空会社評価サイト「エアライン・レーティングス(AirLineRatings.com)」は毎年、世界の航空会社407社を対象に航空当局による監査や事故の記録、運航状況などをもとに安全度を格付けしている。2016年版は1月5日に発表された。

航空会社の安全番付 1位は豪カンタス、日本勢もランク入り〔2016年1月6日 CNN〕

ジェット機運航開始以来、死者数ゼロを評価されたカンタス

3年連続で1位に輝いたカンタス航空(QF)は、ジェット機の運航を開始して以来、事故による死者を出していない点などが評価された。

最も安全な航空会社、1位はカンタス-エアラインレイティングス〔2016年1月7日 Travel vision〕

カンタス航空(iStockより)

カンタス航空(iStockより)

「安全なLCC」にはエアリンガスやフライビーが選出

2016年 世界の安全なLCC 10社
エアリンガス(アイルランド)
フライビー(英国)
香港エクスプレス航空
ジェットブルー航空(米国)
ジェットスター・オーストラリア
トーマス・クック航空(英国)
TUIフライ(独)
ヴァージン・アメリカ
ボラリス(メキシコ)
ウエストジェット航空(カナダ)
※アルファベット順

Who are the world's safest airlines for 2016?〔2016年1月5日 AirlineRatings(英語)〕

厳しい安全基準をクリアできず、欧州2大LCCは“圏外”

エアラインレーティングスは「世界の安全なLCCトップ10」も発表したが、1位は決定せず、エアリンガス(アイルランド)、フライビー(英)などの10社を選出。欧州の2大LCC、イージージェット(英)とライアンエアー(アイルランド)は2015年、1.8億人もの乗客を安全に運び、死亡数ゼロの記録をもつが、国際運航安全監査プログラム(IOSA)などの厳しい基準をクリアできずトップ10社に名を連ねることはできなかった。

The world's 10 safest low-cost airlines〔2016年1月7日 INDEPENDENT(英語)〕

エアリンガス(iStockより)

エアリンガス(iStockより)

独の調査会社による「安全度ランキング」

キャセイ、エミレーツ、エバー航空は前年から不動の1~3位

2016年 安全度ランキング トップ30(国)〔前年順位) 2016年JACDEC指数
1位 キャセイパシフィック航空(香港)〔1〕 0.006
2位 エミレーツ航空(アラブ首長国連邦)〔2〕 0.007
3位 エバー航空(台湾)〔3〕 0.008
4位 カタール航空〔21〕 0.009
5位 海南航空(中国)〔8〕 0.010
6位 KLMオランダ航空〔5〕 0.010
7位 ニュージーランド航空〔6〕 0.011
8位 エティハド航空(アラブ首長国連邦)〔10〕 0.013
9位 日本航空〔44〕 0.015
10位 TAPポルトガル航空〔13〕 0.015
11位 ジェットブルー航空(米国)〔9〕 0.016
12位 ルフトハンザ航空(独)〔12〕 0.016
13位 カンタス航空(豪)〔7〕 0.016
14位 ヴァージン・アトランティック航空(英国)〔16〕 0.017
15位 全日空〔11〕 0.018
16位 エア・カナダ 0.018
17位 デルタ航空(米国) 0.018
18位 ブリティッシュ航空 0.020
19位 四川航空(中国) 0.025
20位 エア・ベルリン(独) 0.025
21位 ウエストジェット航空(カナダ) 0.027
22位 ヴァージン・オーストラリア 0.029
23位 深セン航空(中国) 0.029
24位 サウスウエスト航空(米国) 0.034
25位 イベリア航空(スペイン) 0.035
26位 イージージェット(英国) 0.035
27位 ジェットスター航空(豪) 0.036
28位 ノルウェー・エアシャトル 0.039
29位 トムソン航空(英国) 0.047
30位 シンガポール航空 0.052

JACDEC AIRLINE SAFETY RANKING 2016〔JACDEC(英語)〕

900超の安全監査基準、過去の事故などを参照し独自の指数を算出

航空会社の安全性を調査する独JACDECは毎年、国際航空運送協会(IATA)による運航管理、整備、危機管理・保安など8分野で、900超の安全監査基準をもつ国際運航安全監査プログラム(IOSA)や過去30年の重大事故を参照しながら、独自の安全指数を算出。2015年の実績に基づく16年版ランキングは1月に発表。

2016年版世界で最も安全な航空会社15社、JALベスト10入り ANAは15位〔2016年1月14日 FLy Team〕

日本航空が前年の44位から9位へと飛躍しトップ10入り

日系では、全日空は2015年の11位から15位へと順位を下げたが、指数は変わらず、それ以前を含めてほぼ安定。一方、日本航空は、15年の44位から9位へと大幅に上昇し、ベスト10入り。指数も0.204から0.015と大幅に改善。

2016年版世界で最も安全な航空会社15社、JALベスト10入り ANAは15位〔2016年1月14日 FLy Team〕

厳しい安全監査基準をクリアし1位に輝いたキャセイ・パシフィック航空(iStockより)

厳しい安全監査基準をクリアし1位に輝いたキャセイ・パシフィック航空(iStockより)

米調査会社による「定刻運航率ランキング」

主要会社では日本航空が1位

2015年 主要航空会社部門トップ10 定時到着率
1位 日本航空 89.44%
2位 イベリア航空(スペイン) 88.97%
3位 全日空 88.88%
4位 KLMオランダ航空 87.88%
5位 オーストリア航空 87.68%
6位 スカンジナビア航空 87.42%
7位 TAM航空(ブラジル) 85.98%
8位 カンタス航空(豪) 85.49%
9位 ルフトハンザ航空(独) 84.42%
10位 アビアンカ航空(コロンビア) 84.34%

7th Annual On-time Performance Service Awards〔FLIGHT STATS(英語)〕

遅れが15分未満の便を「定時到着」として集計

世界の航空会社の運航状況を分析している米フライトスタッツ社は毎年、定時到着率ランキングを発表。世界中で運航されている定期便のうち82%の運行情報を集め分析。到着予定時刻からの遅れが15分未満の便を「定時到着」として、航空会社ごとにその割合(定時到着率)を集計した。

およそ9割 定時到着率で世界一認定 JAL〔2016年1月7日 乗り物ニュース〕

日本航空はアジア・パシフィック主要航空会社部門でも1位

日本航空は、アジア・パシフィック主要航空会社部門でも1位、アライアンス部門では、日本航空が所属するワンワールドアライアンスが1位に。ワンワールドが同部門で1位に輝くのは2012年、14年に続き3回目。

JAL、2015年の定時到着率で世界1位 FlightStatsの調査〔2016年1月7日 FLy Team〕

LCCではイベリア・エクスプレスが1位、日本のエア・ドゥーが3位に

2015年 LCC部門トップ10 定時到着率
1位 イベリア・エクスプレス航空(スペイン) 93.50%
2位 エア・バルティック(ラトビア) 91.75%
3位 エア・ドゥー(日本) 86.37%
4位 ポベーダ(ロシア) 86.03%
5位 ウエストジェット航空(カナダ) 85.32%
6位 ニキ(オーストリア) 84.08%
7位 ノルウェー・エアシャトル 82.66%
8位 エア・アジア(マレーシア) 82.46%
9位 ヴァージン・アメリカ 81.07%
10位 サウスウエスト航空(米国) 80.97%

7th Annual On-time Performance Service Awards〔FLIGHT STATS(英語)〕

豪の評価サイトによる「総合ランキング」

ニュージーランド航空が3年連続で1位

2016年の航空会社トップ10
1位 ニュージーランド航空
2位 カンタス航空(豪)
3位 エティハド航空(アラブ首長国連邦)
4位 キャセイパシフィック航空(香港)
5位 シンガポール航空
6位 エミレーツ航空(アラブ首長国連邦)
7位 エバー航空(台湾)
8位 ヴァージン・アトランティック航空(英国)、ヴァージン・オーストラリア
9位 全日空
10位 ルフトハンザ航空(独)

2016年「世界最高の航空会社」はNZ航空、9位に全日空〔2015年12月11日 AFP〕

安全評価や技術革新による快適性を基準に選出

豪の航空会社評価サイト「エアライン・レーティングス」編集部は毎年、安全評価や技術革新による快適性を基準に「世界最高の航空会社」を選出している。2015年の実績を評価した16年版ランキングが、15年12月に発表された。

2016年「世界最高の航空会社」はNZ航空、9位に全日空〔2015年12月11日 AFP〕

ニュージーランド航空は最新技術を採用したサービスが話題

1位は、3年連続でニュージーランドのフラッグキャリア。選出理由のひとつ「機内における技術革新」では、未成年者が保護者なしで搭乗する場合に親が旅路を追跡できるブレスレット型の「エアバンド」が評価された。スマホアプリで事前注文したコーヒーを空港ラウンジで受け取れるサービスも話題。

2016年「世界最高の航空会社」はNZ航空、9位に全日空〔2015年12月11日 AFP〕

英コンサル会社が評価、「“5つ星”認定の航空会社」

アジア勢が健闘、全日空は3年連続で獲得

「5つ星」を獲得した航空会社
全日空
アシアナ航空(韓国)
キャセイ・パシフィック航空(香港)
ガルーダ・インドネシア航空
ハワイアン航空(米国)
カタール航空
シンガポール航空

The world’s 5-Star Airlines〔SKY TRAX〕

1800万人による満足度調査結果に基づく

英航空産業コンサルティング会社スカイトラックスは毎年、機内と空港環境の双方を加味し、800を超える項目を基準に、各社のサービスレベルを格付けした「エアライン・スター・ランキング」を発表。対象は245社以上で、約1800万人の乗客による顧客満足度調査結果に基づき選出され、1~5個の星の数で表される。2016年版は3月に公表された。

ガルーダ・インドネシア航空 英国スカイトラックス社 2年連続 世界最高評価「5スター」を獲得〔2016年2月24日 Sankei Biz〕

「各社に共通するのはきめ細やかなホスピタリティー精神」(ジャーナリスト)

航空・旅ライターの宮下裕子氏は、2016年に5つ星を獲得した会社の半数は、国際線での歴史が比較的浅く、参入時にすでに競争を余儀なくされた会社であるとしたうえで、「きめ細やかなホスピタリティー精神が、共通して高い評価を得たひとつのポイント」と指摘する。

5つ星航空会社、多くに共通点 「戦略」として目指す格付け高評価〔2016年3月27日 乗り物ニュース〕

それぞれの“売り”とは?

  • 【インドネシア航空】:国民性を紹介することを目的とした、五感を楽しませるホスピタリティー
  • 【全日空】:自動手荷物預け機など、待ち時間やストレスを大幅に軽減するハード面の工夫
  • 【シンガポール航空】:世界の最先端をゆくラグジュアリーなサービス

5つ星航空会社、多くに共通点 「戦略」として目指す格付け高評価〔2016年3月27日 乗り物ニュース〕

インドネシアの文化を感じる食事や客室乗務員の制服デザイン、機内では同国原産の植物から抽出したエッセンシャルオイルを使用したオリジナルアロマを採用するなど、国民性を押し出しているガルーダ・インドネシア航空

インドネシアの文化を感じる食事や客室乗務員の制服デザイン、機内では同国原産の植物から抽出したエッセンシャルオイルを使用したオリジナルアロマを採用するなど、国民性を押し出しているガルーダ・インドネシア航空

AB-ROADが調査「日本人が選ぶ、満足度の高い航空会社」

4年連続でシンガポール航空がトップに君臨

2015年 トップ20 〔前回順位〕 満足度を示すポイント
1位 シンガポール航空〔1〕 4.20
2位 日本航空〔3〕 4.18
3位 全日空〔2〕 4.09
4位 ニュージーランド航空〔8〕 4.02
5位 エバー航空(台湾)〔6〕 4.01
5位 エミレーツ航空(アラブ首長国連邦)〔5〕 4.01
7位 トルコ航空〔4〕 3.98
8位 カタール航空〔10〕 3.95
8位 フィンランド航空〔19〕 3.95
10位 タイ国際航空〔14〕 3.92
11位 ハワイアン航空(米国)〔23〕 3.88
12位 エールフランス航空〔17〕 3.87
13位 ルフトハンザ航空(独)〔8〕 3.84
14位 エティハド航空(アラブ首長国連邦)〔12〕 3.83
15位 KLMオランダ航空〔16〕 3.81
16位 スイス・インターナショナル・エアラインズ〔7〕 3.80
17位 ピーチ・アビエーション(日本)〔24〕※ 3.79
18位 キャセイ・パシフィック航空(香港)〔22〕 3.77
19位 香港エクスプレス航空〔前回対象外〕※ 3.75
20位 チャイナ・エアライン〔30〕 3.74
※はLCC

エアラインランキング 2015〔AB-ROAD(PDF)〕

海外渡航者4000人を対象に調査

リクルートライフスタイル運営の「エイビーロード・リサーチ・センター」は毎年、海外渡航をした人を対象に国際線を運航する航空会社の満足度を調査しランキングを発表している。2015年版の調査対象者数は4000人で、結果は15年7月に公表された。

エアライン満足度調査2015〔2015年7月 AB-ROAD〕

「乗り継ぎに便利な会社は、サービスレベルが向上するのが常」(ジャーナリスト)

100社超の利用経験を持つジャーナリスト、谷川一巳氏は、トップ10入りした航空会社の特徴を(1)日系大手(2)規模が大きく世界的なネットワーク(3)日本人に人気-としたうえで、エミレーツやトルコなど乗り継ぎのために利用する客が多い会社は、利用者が多国籍であるため、「万人に受け入れられるようサービスレベルが向上するのが常」と指摘。

エアラインランキング 2015〔AB-ROAD〕

シンガポール航空人気の理由は「洗練されたイメージ」

2012年の同調査開始以来、シンガポール航空が4年連続でトップを独占。前出の谷川氏は、その理由について、新しい機材、充実した機内食、テーブル上で滑らない食器などの設備やサービスが「当たり前にさりげなく行われている」とし、「企業全体に洗練されたイメージがある」と話す。

エアラインランキング 2015〔AB-ROAD〕

AB-ROADの満足度調査で4年連続1位に選ばれたシンガポール航空。写真は「空飛ぶホテル」とも呼ばれる同社のA380機(iStockより)

AB-ROADの満足度調査で4年連続1位に選ばれたシンガポール航空。写真は「空飛ぶホテル」とも呼ばれる同社のA380機(iStockより)

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