※画像と本文は関係ありません(Thinkstockより)

「家計圧迫の携帯料金」総務省が値下げ検討へ…本当に安くなる?

「家計を圧迫している」などたびたび指摘されてきた携帯電話料金。9月11日、安倍首相は総務省に値下げ検討の要請をしたが、通信業界などには動揺も。業界の対応や今後の政府の実効性などに注目が集まる。

《1世帯あたりの携帯料金は平均7200円》
総務省の家計調査によると、携帯電話の昨年の利用料金は、1世帯あたり(単身も含む)月額平均で約7200円となり、2002年の4200円から1・7倍に増えた。(朝日新聞より

安倍首相、総務省に「携帯料金値下げ」を要請

「携帯料金などの家計負担の軽減は大きな課題」と首相

安倍晋三首相は、9月11日の経済財政諮問会議で「携帯料金などの家計負担の軽減は大きな課題だ」として、高市氏に対応策の検討を指示。

携帯料金値下げ促進へ 首相指示、総務相「年内にも案」〔2015年9月16日 朝日新聞〕

総務省、携帯料金引き下げ策検討を表明…年内をめどに結論

高市早苗総務相は9月15日の記者会見で、携帯電話料金の引き下げを促す案を年内にもまとめる考えを表明。数人の専門家を含めて議論し、年内をめどに結論を出すという。

総務相「低廉な携帯料金検討」 年内めどに結論〔2015年9月16日 産経ニュース〕

首相が直接要請するのはきわめて異例

首相が直接要請するのはきわめて異例。携帯サービスについてはこれまで、総務省で議論されてきたが、その頭越しにいきなり本丸に切り込んできた格好だ。

首相の「携帯料金値下げ」要請で波紋〔2015年9月16日 日本経済新聞〕

値下げ指示の背景に…

1世帯あたりの利用料金は増加傾向…スマホの普及が後押し

総務省の家計調査によると、携帯電話の昨年の利用料金は、1世帯あたり(単身も含む)月額平均で約7200円となり、2002年の1・7倍に増えた。スマートフォンの普及で、データ通信量が多くて料金がかさむ動画などを楽しむ人が増えたのが理由だ。

携帯料金値下げ促進へ 首相指示、総務相「年内にも案」〔2015年9月16日 朝日新聞〕

携帯通信料は「家計支出に占める割合が10年間で増加」

総務省の「情報通信白書」によると、平成26年の電話通信料のうち、携帯電話など「移動電話通信料」への支出は、平成17年以降増加傾向に。高市総務相も15日の会見では「家計支出に占める通信料の割合が10年間で2割増えた。より低廉で利用しやすい料金を実現するため、取り組みを検討する」と話している。

「電話通信料の推移と世帯支出に占める割合」より〔総務省〕

電話通信料の推移と世帯支出に占める割合(総務省より)

電話通信料の推移と世帯支出に占める割合(総務省より)

携帯料金をめぐってはこれまでも議論

SIMロック解除、2年縛りの見直し…

総務省はこれまでも、携帯料金の引き下げに向けた手は打ってきた。端末を別の携帯会社で使えなくする「SIMロック」の解除を5月から義務化し、契約が2年ごとに自動更新される「2年縛り」の見直しも7月に要請している。大手が利用者を囲いこむ手段を封じ、低料金の「格安スマホ」に移りやすい環境を急いで整えてきた。

携帯料金値下げ促進へ 首相指示、総務相「年内にも案」〔2015年9月16日 朝日新聞〕

携帯電話料金をめぐる主な施策

総務省の施策 業界の対応
2年縛り 今年7月、2年契約が自動更新され、解約金が高い仕組みの改善を求める 大手3社が改善策を検討中
SINロック解除 今年5月降以発売の機種は一定期間経過後の解除を義務化 大手3社が購入半年後の解除に応じる
格安通信サービス 携帯電話回線の接続料(貸出料)の引き下げを大手に促す 昨年4月ごろから格安スマホや格安SIMの新規参入が拡大

「3社寡占」問題視…携帯料金引き下げ策検討へ〔読売新聞〕

《「解約できない」など苦情・相談件数は約2万件》

国民生活センターによると、移動通信サービスに関する平成25年度の苦情・相談件数は約2万件。「通信速度が違う」「解約できない」「覚えのないオプション契約をしている」など、スマホの性能や複雑なオプションを十分に理解できないまま契約するケースが目立つという。

スマホ契約トラブル多発、携帯業界「お試しサービス」など対策

市場、業界の反応は

収益悪化懸念…携帯電話3社の株価は大幅安に(9月14日)

9月14日の東京市場では、国内携帯電話大手3社の株価が大幅安となった。安倍首相が通信料の引き下げに向けた方策を検討するよう指示を出したことが、収益悪化懸念につながった。

携帯電話3社の株価大幅安、安倍首相の料金値下げ検討指示を嫌気〔2015年9月14日 ロイター〕

携帯会社幹部は「首相の人気取り」と反発

また、「格安スマホがあれば足りる話。なぜ、我々の料金に口を挟むのか」(大手携帯会社幹部)との反発も。大手の経営陣のひとりは「政権の支持率が下がり、首相は人気が出ることを言おうとして、携帯料金がねらわれた」と語ったという。

携帯料金値下げ促進へ 首相指示、総務相「年内にも案」〔2015年9月16日 朝日新聞〕

専門家「政治が民間企業の料金施策に介入していいのか」

首相の発言などを受け、専門家は「政治が民間企業の料金施策に介入していいのか、市場競争に逆行しないか海外投資家は注視している」(アバディーン投信投資顧問の窪田慶太氏)などの指摘もしている。

通信、吹き飛んだ4兆円 値下げ発言、試される底力 〔2015年9月16日付 日本経済新聞〕

携帯料金、本当に安くなる?

ドコモ「引き続き検討していきたい」などコメント

大手3社は「光インターネット料金も合わせて、携帯電話料金を下げる努力をしており、これからも引き続き検討していきたい」(ドコモ)、「こういったことが話題に出る前から、ユーザーが利用しやすいプランは出している」(KDDI)、「これまでも事業者との間で競争し、都度、新しい料金を導入してきたが、今後も様々な施策を検討していく」(ソフトバンク)などとコメント。

携帯電話3社の株価大幅安、安倍首相の料金値下げ検討指示を嫌気〔2015年9月14日 ロイター〕

高市総務相「もう少し細かい選択肢があってもいい」

総務省によると、利用者の6月の平均通信量は1・9ギガ・バイトだが、大手3社の一般的なスマホの料金プランは最低2ギガ・バイト。一部の利用者は余計に料金を払っていることになるため、高市総務相は「1ギガ・バイトという(料金プランの)選択肢があってもいい」と指摘した。

「3社寡占」問題視…携帯料金引き下げ策検討へ〔2015年9月16日 読売新聞〕

総務省の来年度政策に対策が盛り込まれる可能性もある

甘利明経済再生担当相も「(携帯大手が)3社体制で固定化し、競争政策が働いていないとの指摘もある」と強調し、高市総務相に具体策を要請。総務省の来年度政策に対策が盛り込まれる可能性もある。

出ばなくじかれたiPhone商戦 首相発言で携帯3社の株価急落〔2015年9月15日 SankeiBiz〕

《データ通信量の調査結果》

NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの大手3社では、月5千円で5ギガバイトまでのデータを通信できるコースが人気だが、「スマホ利用者の約48%が月2ギガ以下しか通信していない」(MM総研)との調査結果もある。

携帯料金値下げ促進へ 首相指示、総務相「年内にも案」〔2015年9月16日 朝日新聞〕

注目まとめ

    アクセスランキング

    もっと見る

    ピックアップ

      どう思う?

      「どう思う?」一覧

      注目のテーマ