海猿たちを支える「船メシ」がおいしそう! 栄養もコスパも抜群

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海の治安を守る海上保安庁。その巡視船で提供される「船メシ」が注目されている。海上保安官が自ら考えて調理するメニューは郷土色にあふれ、栄養やコストパフォーマンスもよく考えられたものだ。

《船飯(ふなめし)》
海上保安官が巡視船艇内で食べる食事のこと。巡視船艇内のキッチンで主計科に所属する主計士が調理する。栄養学や食品衛生学の知識を生かし、自らレシピを考え調理するが、全国各地の名物料理や郷土料理も取り入れている。

海猿たちを支える「船メシ」

航海は2~3週間 食事は海上保安官の楽しみ、活力の源

海上保安庁の巡視船が任務で航海に出ると、数日から2~3週間帰港できない。船内で取る1日3回の食事は「船飯」と呼ばれ、海上保安官にとって楽しみで、活力の源でもある。

巡視船「いわみ」の「船飯」初公開〔2016年3月23日 毎日新聞〕

船内で食事を作るのは海上保安官の「主計士」たち

海上保安官といえば「潜水士」か「航海士」のイメージが強いが、船内で食事を作る「主計士」も重要な役割を担っている。主計士は乗組員の労働時間管理や物品管理などの仕事のほかに、調理も担当する。

同乗取材 海保巡視船の胃袋支える主計士〔2016年4月5日 大分合同新聞〕

予算は1人1日千円…毎日飽きない献立を工夫

主計士の調理担当は、1人1日1千円ほどの予算内で、毎日飽きの来ない献立を工夫。北は北海道・稚内から南は沖縄県・石垣島まで全国に拠点が広がるだけに、地元食材や郷土食にこだわった料理も出される。

海猿支える「フナメシ」ずらり 警備増強で料理人不足も〔2016年4月2日 朝日新聞〕

郷土色あふれる「船メシ」を紹介

◆グラタンフライ(巡視船「おいらせ」)

青森・八戸のソウルフード。外はパリパリ、中はトロトロ…

青森海上保安部の巡視船「おいらせ」の名物料理は青森県八戸市のソウルフード「グラタンフライ」。具材にマカロニ、タマネギのほか、青森で手に入れやすいホタテを入れている。外はパリパリ、中はトロトロで、冷凍保存もでき、重宝至極。(レシピはこちら

外はパリパリ、中はトロトロ 幸せ気分に浸れる「グラタンフライ」巡視船「おいらせ」

◆蝦夷鹿肉カレー(巡視船「かりば」)

第1海上保安本部・根室海上保安部の巡視船「かりば」の「鹿肉カレーライス」(海上保安協会提供)

第1海上保安本部・根室海上保安部の巡視船「かりば」の「鹿肉カレーライス」(海上保安協会提供)

じっくり煮込んだ“2日目”の味 「蝦夷鹿肉カレーライス」 巡視船「かりば」

地域で捕獲した鹿肉を有効活用、低脂肪・高タンパクな栄養源

根室海上保安部の巡視船「かりば」では、地域で捕獲した蝦夷鹿肉を有効活用。「鹿肉カレーライス」は牛肉や豚肉に比べ、低脂肪、高タンパク、鉄分豊富で、極寒の海で働く保安官の栄養源にはもってこい。「肉がやわらかく、じっくり煮込んだビーフに近い」と評判だ。(レシピはこちら

じっくり煮込んだ“2日目”の味 「蝦夷鹿肉カレーライス」 巡視船「かりば」

◆とんてき(巡視船「あおたき」)

ボリューム満点、三重県を代表する庶民派グルメ

四日市海上保安部の巡視船「あおたき」のとんてきは、三重県を代表する庶民派グルメ。分厚い豚肉とニンニクを濃いめのタレでソテーし、千切りキャベツをたっぷり乗せるボリューム満点の一品だ。乗組員からは「(とんてきの)食事の時間が一番の楽しみ」との声も。(レシピはこちら

分厚い豚肉のボリューム感がたまらない…三重の味「とんてき」 巡視船「あおたき」

◆とり天(巡視船「やまくに」)

コスパ最強の大分名物、サクッとした食感とくせになる柔らかさ

大分海上保安部の巡視船「やまくに」では、大分名物のとり天が「サクッとした食感と、鶏むね肉の柔らかさがくせになる」と評判だ。コストパフォーマンスは最強。鶏むね肉は季節による値段の変動が少なく、一年中安いため(100グラム約70円)、まさに船メシの優等生だ。(レシピはこちら

サクッと歯ごたえ&中身は柔らか…食感がくせになる「とり天」 巡視船「やまくに」

◆軟骨炙りソーキそば(巡視船「うるま」)

沖縄色全開!トロトロ煮込んだ軟骨ソーキを炙って香ばしく

那覇海上保安部の巡視船「うるま」では、沖縄の郷土料理を船メシにした。沖縄出身の照屋孝太・主計士補が作る軟骨炙りソーキそばは、圧力鍋を使用してトロトロになるまで煮込まれた軟骨ソーキ(豚スペアリブの軟骨部分)を盛り付ける直前に炙り、香ばしさ満載だ。(レシピはこちら

沖縄色全開!トロトロ煮込み軟骨ソーキそば、炊き込みご飯「ジューシー」 巡視船「うるま」

◆カツオの洋風タタキ(巡視船「あらせ」)

飽きさせないメニューを考案、カツオは豪快に扇風機で冷やす

高知といえばカツオ。宿毛海上保安署の巡視船「あらせ」では、飽きさせない工夫としてカツオの洋風タタキが考案された。バターを溶かしたフライパンで焼き色をつけ、ブランデーでフランベする。焼いたカツオは下味が抜けないよう扇風機で荒熱を取り、冷蔵庫で味をなじませている。(レシピはこちら

豪快! 扇風機で冷やすカツオの洋風タタキとカリカリきびなごのフリット 巡視船「あらせ」

◆松島かき丼(巡視船「くりこま」)

かきのプリッとした食感と甘辛い味噌だれの妙

宮城海上保安部は日本三景の松島を管内に置く。名物の松島かきをふんだんに使ったかき丼は巡視船「くりこま」の人気メニューで、かきのプリッとした食感と甘辛い味噌だれの妙が乗組員たちを魅了している。調理担当の佐橋和磨・主計士補が出身地、東海地方の八丁味噌で煮た。(レシピはこちら

松島「かき丼」 カキのプリッとした食感と濃厚なうまみが味噌だれにからみ…

◆監獄和牛ステーキ丼(巡視船「ゆうばり」)

「網走監獄和牛」は日本食肉格付協会に出品されるほどの品質

網走海上保安署の巡視船「ゆうばり」の監獄和牛ステーキ丼は、網走刑務所の受刑者が生産した「網走監獄和牛」を使った贅沢メニュー。日本食肉格付協会に出品されるほどの品質だが、やりくり上手の前川一仁・主任主計士は「格安で販売されていて作りました」と話す。(レシピはこちら

網走監獄和牛を贅沢に使ったステーキ丼に下鼓を 巡視船「ゆうばり」

◆阿波牛のタンシチュー(巡視船「よしの」)

地産地消を実践、“女性シェフ”が腕を振るった元旦特別メニュー

徳島海上保安部の巡視船「よしの」では、全国でも珍しい“女性シェフ”槌屋晶子・主任主計士と主計士補2人が腕を振るう。今年元旦の特別メニューは地産地消を実践し、奮発して地元の名産、阿波牛のタンシチューをふるまった。鳴門海峡で冬の海風に当たった海上保安官たちの心と体を温めてくれる。(レシピはこちら

和牛のタンシチュー 鳴門海峡の任務支える熱々ランチに舌鼓 巡視船「よしの」

◆万願寺カレー(巡視船「みうら」)

“海保カレー”は忘れられない若き日の思い出の味…

京都・舞鶴市の海上保安学校で練習船として使用される巡視船「みうら」で、実習最終日に出される昼食の定番メニュー。ここで学んだ保安官にとっては忘れられない若き日の思い出の味だ。赤ワインに漬けた牛モモと舞鶴発祥の万願寺トウガラシは相性バツグン。巷の「海軍カレー」に負けない味わいだ。(レシピはこちら

海軍カレーならぬ海保カレーの秘密は万願寺トウガラシだった…若き日を思い出させるピリ辛風味

◆しらす丼(巡視船「こうや」)

田辺湾名産、しらすの釜揚げをたっぷり…南高梅でさっぱりと

田辺海上保安部巡視船「こうや」では、田辺湾名産しらすの釜揚げをたっぷり盛ったしらす丼。紀州みなべの南高梅でさっぱりといただく。調理した北崎善男・主任主計士は平成26年に潜水士から転身したばかり。短時間でいかにおいしい料理を提供できるか-。現場への熱い思いが込められたメニューだ。(レシピはこちら

元潜水士のシェフが腕をふるう釜揚げしらす丼 巡視船「こうや」

◆豆乳担々麺(巡視船「そらち」)

極寒の海で、ピリ辛アツアツの一杯が身も心も温める

第1海上保安本部・紋別海上保安部の巡視船「そらち」の担々麺は、厳しい自然と戦う乗組員のために考え出されたレシピ。ジンギスカンのタレで有名な「ベル食品」のラーメンスープ「華味」を加え、少ない材料でコクとうまみを出している。ピリ辛のアツアツ担々麺は、乗組員の身も心も温める。(レシピはこちら

極寒の海でピリ辛アツアツの「豆乳担々麺」 巡視船「そらち」

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