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離婚後の父「子供に会いたい」…「面会」申し立て増加の背景

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離婚後に親権を持たない親などが子供との面会を求める家庭裁判所への調停申し立てが、最近10年で2・5倍に増加している。このうちの7割は父親からの申し立てとみられ、子育てをする父親、“イクメン”が増え、離婚後も子供との交流を求めていることが背景にあるようだ。

《離婚後の子育て》
3組に1組が離婚する現代日本。離婚時に夫婦が子供の養育計画を決めるのが一般的だが、離婚後の親子の面会交流や養育費支払いをめぐるトラブルや、同居人らによる児童虐待も頻発し、官・民などが解決に取り組んでいる。

「面会」申し立て、10年で2.5倍

離婚件数は約23万件に減少

平成15年に約28万件だった離婚件数は25年には約23万件に減少している。

面会交流調停の新規受理件数は2・5倍に増加

一方、面会交流調停の新規受理件数は、15年に4203件だったが25年は1万762件と、10年で2・5倍に増加した。

離婚後の父「子供に会いたい」 「面会」申し立て、10年で2.5倍

一方、面会交流調停の新規受理件数は、15年に4203件だったが25年は1万762件と、10年で2・5倍に増加した。

「面会交流」はどうなっている?

日本では両親のどちらかが親権を独占する単独親権制

日本では婚姻中は両親ともに親権を持つが、離婚後は一方しか持てない単独親権となる。親権を持たない親は戸籍上は他人となるため、子どもとのかかわりから遠ざけられてしまうこともある。

親権がなくとも離婚後に子供と会うことは可能

たとえ親権がなくとも離婚後に子供と会うことは可能。離婚しても、親権を失っても、その子供にとって「親であること」に変わらない。

基本的には協議離婚や調停離婚の話し合いの際に双方で決める

離婚した後も子供に会わせてくれるよう交渉することを「面会交流(以前は面接交渉)」と言う。面会交流は基本的には協議離婚や調停離婚の話し合いの際に双方で決めるが、親権を持つ側の親が「子供との面会は認めない」という態度に出た場合、面会交流を求める調停や審判を、親権のない親側から申し立てることができる。

面会を求め家裁に申し立てるケースは年間1万件を超える

親権を持つ側の親が、持たない側の子供との面会を認めない、認めていたのに実際に会えていないなど、子どもに会えない親が面会を求め、家裁に申し立てるケースは年々増加し、年間1万件を超えている。

父子無理心中 後絶たぬ面会めぐるトラブル…審判・調停は増加

《親権》

親権とは,未成年者の子どもを監護・養育し,その財産を管理し,その子どもの代理人として法律行為をする権利や義務のことをいう。法律上定められている具体的な親権の内容としては,財産管理権、身上監護権がある。ただし,父母が離婚する場合,父母が共同して親権を行使することはできないので,父母のいずれかを親権を行使する親権者として定める必要がある。父母が協議上の離婚をする場合は,その協議で親権を行使する親権者を定め(民法819条1項),裁判上の離婚をする場合は,裁判所が父母の片方を親権者と定めることになる(民法819条第2項)。

《面会交流》

離婚などで子どもと別居することになった親が、同居する親との間でルールを設け、定期的に子どもと会うこと。裁判所による調停後に民間の支援団体の仲介で面会が実現することも多く、公園や遊園地、別居する親の自宅などが面会場所になる。月1回が多かったが、最近は月に複数回という例もあり、宿泊が伴う場合もある。同居する親が調停や審判の結果に従わない場合、家裁が面会交流に応じるよう勧告したり、金銭の支払いを命じたりする仕組みもある。

2014年08月18日 毎日新聞

離婚後も子供と交流したい父親が増えている

母親に親権を認める傾向が強く、離婚時の末子の平均年齢が4・5歳

離婚時の末子の平均年齢が4・5歳(母子世帯)と幼く、養育の必要性などから母親が親権を持つ割合は約8割に上る。離婚訴訟でも母親に親権を認める傾向が強い。

離婚後の父「子供に会いたい」 「面会」申し立て、10年で2.5倍

調停申し立ての約7割が父親。背景にイクメン増加?

早稲田大法学学術院の棚村政行教授(家族法)によると、面会交流を求める調停申し立ての約7割が父親からとみられ、「育児に関わる父親が増えたことが大きい。離婚後も子供と交流したいという気持ちが強いのだろう」とする。

離婚後の父「子供に会いたい」 「面会」申し立て、10年で2.5倍

少子化で、子供は「かけがえのない」存在となったことも一因か

「少子化により、子供はかけがえのない存在になった。孫に会いたい祖父母が、息子を後押ししていることも一因」(棚村氏)とみる。

離婚後の父「子供に会いたい」 「面会」申し立て、10年で2.5倍

親子の面会交流を支援する団体も

離婚などで子供と会えなくなった親らが集まる「親子の面会交流を実現する全国ネットワーク」主催の勉強会。子供との交流を求める父親が増えている=5月30日、東京都豊島区

離婚などで子供と会えなくなった親らが集まる「親子の面会交流を実現する全国ネットワーク」主催の勉強会。子供との交流を求める父親が増えている=5月30日、東京都豊島区

離婚後の父「子供に会いたい」 「面会」申し立て、10年で2.5倍

父母間で子供を奪い合うケース、養育をめぐる対立…

面会交流の要求だけでなく、父母間で子供を奪い合うケースもあり、養育をめぐる対立は一部で激化。親権を持つ親が親権を持たない親に子供を奪われたなどとして、子供の引き渡しを求める調停申し立ての件数は、25年までの10年で540件から1197件と2・2倍に増加した。

《ハーグ条約》

国際結婚の破綻などで、一方の親に国境を越えて無断で連れ去られた子供の扱いを定めた条約。2014年4月1日に発効。

ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)〔外務省〕

重要なのは「子供の視点」…自治体も支援

子供の視点での支援が必要

「夫婦の対立に子供が巻き込まれると、子供に大きな影響が出る。離婚後も双方の親から愛情と援助を受けられるよう、子供の視点での支援が必要だ」(棚村氏)と話している。

離婚後の父「子供に会いたい」 「面会」申し立て、10年で2.5倍

円満な離婚や、離婚後の共同養育を促す試み

子供の視点に立った支援をしようと、円満な離婚と、離婚後の共同養育を促す試みが一部の自治体で始まっている。

離婚後の父「子供に会いたい」 「面会」申し立て、10年で2.5倍

《広がる自治体支援》

兵庫県明石市は2014年4月から、別居中や離婚後の子供の養育費の支払いや面会交流の取り決めを促すプロジェクトを開始。元家庭裁判所調査官らによる相談体制の充実のほか、離婚後も父母の間で子供の情報を共有するため、日常生活や面会交流の内容を記録する冊子(養育手帳)などを配布している。鹿児島市は明石市の取り組みを参考にした文書を市役所などで配布している。

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