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【衝撃事件の核心】韓国セウォル号沈没「否認」「責任回避」に見える“韓国らしい一面”

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 韓国の珍島沖で起きた客船「セウォル号」沈没事故で多数の死者を出した「責任」を問う裁判が6月10日、韓国・光州地裁で始まった。検察側は、乗客らへの救助措置を怠ったとして、船長のイ・ジュンソク被告(68)ら乗組員15人を殺人罪などで起訴。しかし初公判の罪状認否で、イ被告の弁護人は殺人罪について否認し、他の被告の弁護人もほとんどの罪を否認した。「なぜ起きたのか」「防げなかったのか」。真相究明を求める遺族の思いをよそに、責任回避したり、事故を“利用”しようとする輩は少なくない。

■「犠牲者らに恨みがあったわけではない」

 初公判で、イ被告の弁護人は、「犠牲者らに恨みがあったわけではない」とした上で、「乗客が死んでもいいと考えて救護措置を取らず、自分だけ助かろうとして脱出したとの検察の主張は理解し難い」と主張。さらに、イ被告が操舵(そうだ)室から最後に救助されたなどとして、「(殺人の)未必の故意があったとは容易に納得できない」と訴えた。

 裁判に対する社会的関心も極めて高く、傍聴スペースを確保することなどから法廷を改造し、「事実上、セウォル号事件専門裁判所を新設」(聯合ニュース)した形での裁判は、何もかも異例ずくめだった。

 ただ、事故後は“韓国らしい一面”が随所にみられている。自分さえよければいいという論理だ。

 中央日報(電子版)によると、日本の国会議員146人が靖国神社を参拝した4月22日、韓国政府と与野党議員が抗議の意を表明した。

 「隣国に対する礼儀が少しも見られない没歴史的行動の極致」「過去に日本が犯した侵略戦争を正当化しようとする動き」

 いずれも、相変わらずの表現だが、その中で、与野党議員による「正しい歴史教育のための議員会」はこんな声明を出している。

 「セウォル号沈没事故の時期に靖国神社を集団参拝し、供物を奉納した日本指導層の後進性をひとつひとつ世界に知らせる」

 もちろん、沈没事故と、靖国参拝とはまったく関係がない。

■「無能な政府OUT」…事故を悪用する輩

 事故を政治利用しようとする動きもあった。

 中央日報(電子版)によると、教職員の労働組合は、追悼動画を作成したが、その中では「この組はもう国家ではない。朴槿恵政権の無能さによる他殺だ」と攻撃。とても追悼動画とは思えない内容だったという。このほか、インターネットでつくられた団体は、焼香所で「無能な政府OUT」などのプラカードを持ちデモを行った。これも犠牲者を追悼する姿勢はない。

 こうした動きは事故直後からあった。事故を政治利用し、自らの勢力を伸ばそうと考えた不届きな人たちだ。

 例えば、セウォル号の臨時保護者対策委員会代表として活動していた男性は「家族の代表」としてふるまっていたが、保護者ではなく、実は6月4日投開票の統一地方選で野党側から出馬予定の候補者だった。

 与野党の指導部や地方選挙の出馬予定者ら政治家たちが大挙して事故現場を慰問。海洋警察警備艦艇に乗って海域を見回った。いずれも、自らの顔を売るための政治利用だろう。

 犯罪まがいの行為をした人もいた。大統領府への抗議活動をしようと扇動した不明者の家族以外の人がいたり、「1億ウォン(約1千万円)を出せば、子供を助けてあげる」と不明者に家族に近づくブローカーもいたとされる。

■悪用は続ける…でも、責任は取らない。

 「必ずや、法の裁きを受けさせる」

 朴大統領は、杜撰な運航管理が沈没の原因になったとみて、運航会社「清海鎮運輸」の事実上のオーナーで、背任容疑などで指名手配されている兪炳彦容疑者(73)に対し、こう明言したが、一方で、政治利用も扇動も収まる気配はない。そのうえ、乗客の犠牲を回避できたかもしれない乗組員たちは自らの「責任」を取ろうともしない。

 中央日報は、今回の事故の政治利用や扇動などを厳しく批判した上で、「今回もまともに収拾できなければ、韓国社会の病気はより一層深くなる」などと指摘した。

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