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「低精米酒」大吟醸の逆転の発想!? 削らない酒は個性豊かな田んぼの味

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産経新聞

デパ地下に並ぶ低精米酒。「80%」「85%」「90%」の数字が、精米の低さをむしろアピールしている=東京・伊勢丹新宿本店 1/5枚  【日本酒を訪ねて】 米を磨くほど上質なうまい日本酒になる。そんな“大吟醸神話”の逆を行く「低精米酒」に注目だ。玄米を半分以上も磨く(削る)大吟醸酒に対し、8、9割方残す白米ほどの精米歩合。米の外側のタンパク質が酒の“雑味”の原因とされているが、それもまるごと「旨(うま)み」ととらえる新概念だ。未知の味を試してみると…。(重松明子、写真も)

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 【日本酒を訪ねて】

 米を磨くほど上質なうまい日本酒になる。そんな“大吟醸神話”の逆を行く「低精米酒」に注目だ。玄米を半分以上も磨く(削る)大吟醸酒に対し、8、9割方残す白米ほどの精米歩合。米の外側のタンパク質が酒の“雑味”の原因とされているが、それもまるごと「旨(うま)み」ととらえる新概念だ。未知の味を試してみると…。(重松明子、写真も)

ほろ苦い水田?の風味

 やや黄色がかる酒を口に含んだ。まず、辛みがドーン。燻(いぶし)たようなほろ苦い水田?の風味が舌に留まり、余韻が後をひく…、こんな日本酒初めて。用意していた干物を下げ、赤身のステーキを焼いて合わせると絶妙! フルボディーの赤ワインに近いかも。

 伊勢丹新宿本店で見つけた低精米酒を自宅で賞味した衝撃が忘れられない。「獺祭(だっさい)」のように20%近くまで米を削った酒がもてはやされる中で、「90%」「80%」と表記した瓶が並んでいた。「単に削らないのではなく、上質なお米で作った純米酒であることが低精米酒の大前提。食事に合う個性的なお酒としてここ1、2年、注目しています」と担当アシスタントバイヤーの倉友桐さん(27)。購入層の中心は、日本酒を飲み尽くしてきた中年男性という。

 強い印象を受けた「恵 海老名耕地(ごうち) 80%」(720ミリリットル、1404円)のラベルを頼りに醸造元、神奈川県海老名市の泉橋酒造を訪ねた。JR東京駅から横浜駅で相鉄線に乗り換えた終点、海老名駅から30分近くも歩いただろうか。景色が市街地から農地へと変わろうとするはざまの、静かな郊外にあった。

写真一覧

  • デパ地下に並ぶ低精米酒=東京・伊勢丹新宿本店
  • 酒米の芽の状態を確認する橋場友一社長(左)と蔵人。丁寧な米づくりが低精米酒のベースだ=神奈川県海老名市の泉橋酒造
  • 初夏の田植えを待つ山田錦の芽(右手前)。およそ1年後に低精米酒として出荷される=神奈川県海老名市の泉橋酒造
  • 泉橋酒造の地元は古くから「海老名耕地」と呼ばれる穀倉地帯。原料の酒米を種から育てている。右は橋場友一社長=神奈川県海老名市

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