イラン危機、革命防衛隊の動向がカギ
2009/06/18 21:40更新
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【テヘラン=村上大介】大統領選の「不正」をめぐる改革派の抗議行動で揺れるイランで、アフマディネジャド大統領の下で急速に政府中枢や経済界に浸透した革命防衛隊の動向が政治危機の行方のカギを握っている。イランの支配体制はアフマディネジャド政権下で、「ベラヤティファギ」(イスラム法学者による統治)に基づく“神権政治”から、強固な保守イデオロギーと結びついた軍事支配へと実質的に変質したと指摘されている。
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記事本文の続き 革命防衛隊は、1979年のイスラム革命直後に、革命指導者ホメイニ師によって創設された「革命防衛」のための精鋭部隊。80年代のイラン・イラク戦争では中心的な役割を果たし、その後、強固な保守イデオロギーを支える代表的な機関として、独り歩きを始めた。防衛隊の兵力は約12万5000人。正規軍の42万人には及ばないが、陸海空軍や弾道ミサイル部隊を抱え、装備、士気の両面で現在、イラン最強の部隊だ。核開発にも深く関与しているとみられている。
革命防衛隊のイスラム体制への影響力拡大は以前から進んでいたものの、2005年に生え抜きのアフマディネジャド氏が大統領に当選し、一気に進んだ。
アフマディネジャド政権下では、21人の閣僚のうち14人までが防衛隊出身か、その関係者で占められ、公務員の主要ポストでも大量に防衛隊出身者が登用された。過去4年間を「アフマディネジャドの静かなクーデター」と評する向きもあるほどだ。
影響力は経済活動にもおよび、06年には国内最大のガス田のパイプライン建設(約20億ドル相当)など国内インフラ整備を次々と受注。法学者層と結びつきイスラム体制を支えてきたイマム・レザー財団(推定資産250億ドル)や殉教者財団(同200億ドル)などの宗教財団に迫る経済主体にのし上がっている。
政府批判の抗議行動を続ける改革派にしても、イスラム革命体制を否定しているわけではなく、その枠内での自由な社会実現を目指している。
だが、強硬な保守イデオロギーの牙城と化した革命防衛隊にとって、改革派は「イスラム体制の破壊者」としか映らない。
こうしたなか、最高指導者ハメネイ師は国民の体制への不満やイランを「悪の枢軸」と断じたブッシュ米前政権やイスラエルによる攻撃の可能性といった「脅威」にさらされ、結果として現体制への依存を強めていった。
今回の政治危機で徹底的な武力弾圧を行えば、内外両面で、イスラム体制に決定的な傷を残しかねない。ハメネイ師が、改革派との妥協を許さない革命防衛隊を、体制維持の観点から「障害」と判断できるかどうかも危機収拾に向けた大きなカギを握る。
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