「黄金郷」暗転…先進国最悪の失業率に
2009/03/28 02:27更新
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不動産バブル崩壊と国際金融危機の二重の打撃に見舞われたスペインの雇用状況が悪化の一途をたどっている。失業率は1月時点で、先進国の集合体である経済協力開発機構(OECD)加盟国中最悪の14・8%。約3年前まで空前の好景気に沸き「エルドラド(黄金郷)」とすら呼ばれていた国が、わずかの間に失業者数が倍増する事態に陥っている。
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記事本文の続き マドリード市東南モラタラス地区の職業安定所。午前10時すぎに待合室の長いすが満杯となり、立って順番を待つ人であふれた。子どもを連れた若い夫婦も目立つ。
「昨日、勤め先の警備会社が突然200人を解雇した。そのうちの1人が僕だ」とファンヘスース・モラレスさん(22)。「何でもいいから仕事がほしい」
医療技師ヘスース・コルドバさん(41)が職を失ったのは一昨年。市内の病院を片っ端から回り仕事を探したが、いまだに就職できない。「1歳と3歳の子どもがいて、家のローンもある。今は妻の収入があるので何とかなっているが」と将来への不安を漏らす。
■かつては国内問題
スペインは1990年代半ば、失業率20%超の時代を経験した。過度の労働者保護政策による労働市場の硬直性が原因とされ、アスナール前政権時代に改善が図られた。
「かつて失業は国内問題だった。今は違う。グローバル経済の影響を直接受け、スペイン一国では何も解決できない」。労組の全国組織「労働委員会」のパロマ・ロペス雇用移民局長は事態の深刻さを説明する。
99年に欧州単一通貨ユーロの第1陣に加わったスペインは、その前後から空前の投資ブームと内需拡大により3~4%の成長率を維持。その後、住宅建設ラッシュも起き、移民が続々と建設現場に向かった。
だが、建設需要が頭打ちになってきたところで金融危機が直撃、建設業頼りの経済は一気に落ち込んだ。
ロペス局長は「職業教育が不十分なまま、安価な労働力に頼る経済は結局脆弱(ぜいじやく)だ。教育がしっかりしたドイツのような底堅さがこの国にはない」と分析する。
■移民は「調整弁」
モラタラス地区の職業安定所には、経済の「調整弁」として真っ先に働き場所を失った移民労働者の姿も目立った。ペルー人のバレンティン・アヤウカさん(37)は昨年9月、妻を本国から招き寄せた。「妻はペルーで英語の教師だったが、ここでは失業者。金融危機が来ると分かっていたら、スペインには来させなかった」と頭を抱えた。
スペイン労働省が発表した2月の失業者数は約348万人。政府は今年末で失業率が15・9%に悪化すると予測する。だが、民間銀行BBVAの試算では、今年末の失業率は17・7%。来年は失業者450万人、失業率19・7%とさらに厳しい事態を予測している。(マドリード 共同)
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