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ゴジラとアニキ、信念を貫いた男の美学 次は監督でTG対決や!

2013/01/13 10:25更新

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「ヒデキ、次は監督だ」(原田史郎撮影) 

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左手首骨折が選手生命を縮めた。2006年05月11日(斎藤浩一撮影) 
ゴジラほえる(戸加里真司撮影)
本塁打は日米通算507本(リョウ藪下撮影)
命懸けのプレーを貫いた(共同)
監督待望論にも「オレに任せろ」
誰からも尊敬された
歴代10位の476本塁打
OB戦で江川から本塁打!

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記事本文

【出崎敦史のスポーツ言いたい放題】

 信念を貫いた男の引き際。大リーガー、松井秀喜外野手(38)の引退に「美学」を見た。年齢もけがも絶対言い訳にしない。現役への未練も迷わず断ち切った。打って走って守ってこそプロ。追い求め続けた理想像に最後までこだわった。けがと戦い続けた鉄人、金本知憲外野手(44)も引退の潔さは松井と重なっていた。2人とも将来は監督に、と周囲は期待はふくらむ。松井、日米通算507本塁打。金本、通算476本塁打(歴代10位)。潔くバットを置いた好漢2人が、充電期間をへて監督として対決する日は案外近い?

■潔く自ら終止符

 「チャンスをもらいながら結果が振るわなかった。手術も受け、体力的に多少下り坂の中で、だましだましやってきた。結果が出なくなって命懸けのプレーも終わりを迎えた」

 2012年12月27日。松井は穏やかな口調でユニホームを脱ぐ理由を口にした。会見中「引退」という言葉は一切使わず「区切り」と言い続けたところが松井らしい。

 手首、ひざ。相次ぐ故障でゴジラの肉体はぼろぼろだった。外野守備には不安がつきまとったが、守らなくていい指名打者ならまだ数年はプレーできたはず。大リーグから声がかからなければ、日本に戻り、パ・リーグでなら指名打者で間違いなく活躍できた。統一球や広くなったストライクゾーンの影響は少なからず受けるだろうが、それでもまだまだ本塁打は打てるに違いない。

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記事本文の続き しかし松井は、そんな自らの姿をよしとしなかった。

 「今から戻ってユニホームを着てグラウンドに立つ、そこまではできると思う。ただ、僕のいいプレーを期待している方々にその姿を見せられるかは非常に疑問だった」

 松井のいう「いいプレー」とは、走攻守すべてで最高のプレーを見せることだった。

 『打って走って守ってこそ野球選手、というのが僕の基本的な考え方です。チームが守っている間、ベンチで戦況を見るDH(指名打者)は、打席への気持ちの持っていき方が難しいのです』(著書「信念を貫く」新潮新書2010年)

 松井の本塁打をもっと見たい、というファンは日本にも多い。しかし特に松井のような長距離打者は年齢とともに打球の飛距離が急激に落ち、衰えがファンの目にもはっきりわかる。そんな中途半端な姿を見せるのは松井には耐え難いことだった。だから散りゆく桜のように潔く身を引いた。

■さらば、鉄人

 松井の引き際を見ながら、金本のことを思い出した。

 「引退の理由は、野球選手として限界を感じたこと。いいときのパフォーマンスが出せないのは肩身が狭い思いがあった。故障で苦しんだ最後の3年間はみじめでみっともなかった」

 金本も松井と同様打って走って守って、という信念にこだわり続けた男。

 『打って、走って、守ってこそがプロ野球選手。それをカープ時代に叩き込まれた。それができないのなら、いっそのことスパッと現役を退いた方がいい』(自著「人生賭けて」小学館2012年)

 自らの言葉通り、潔くユニホームを脱いだ。完全燃焼した21年間の現役生活だった。会見では「もっと練習していれば、もっといい数字が残ったんじゃないか」という言葉もあったが、これは満足感を裏返しにした金本独特の表現に違いない。

 松井は最後の2012年はレイズで34試合、打率.147、2本塁打と精彩なく、事実上戦力外となった。金本も実は引退会見の10日ほど前に南信男球団社長(58)と話し合い「実績のある選手が若手とポジションを争うようなことはどうかと思う」と引退を示唆されていた。見方を変えると、最後はどちらも「肩たたき」同然だった。

 それでも2人とも野球選手としての信念を貫き通した。生き方は少しもぶれていない。周囲から何と言われようと、男の意地と潔さだけは失わなかった。

 それが「美学」に昇華した。

■次は監督でTG戦!

 1月7日、巨人の渡辺恒雄会長(86)が「次の監督は松井君が最適」と発言した。

 渡辺会長は2011年11月には「江川(卓・元投手、57)をヘッドコーチにして、いずれは監督に」と言っていたのに、2012年3月にはイチロー外野手(39)と対面し「気に入った。巨人の監督になってくれ」。

 ほとんどファン感覚の思いつきで発言がころころ変わるので、どこまで信じていいかわからないが「松井監督」に関しては、周囲の本気度がやたらに高い。白石興二郎オーナー(66)は松井の次期監督就任実現は「巨人の責務」と宣言しているし、原辰徳監督(54)も「強力は惜しまない」。

 そんなことから、2013年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の結果次第では「松井監督」実現は意外に早まるのでは、という観測もある。

 日本人大リーガー抜きの純和製侍ジャパンがWBC3連覇を逃すようなことになれば、もともと適任者不在の中で「つなぎ」的に就任した山本浩二監督(66)はすぐ解任。次に世界を相手に「勝てる監督」は原監督しか見当たらない。そこで2013年シーズン終了後にも原監督が巨人監督を松井に譲り、侍ジャパンの専任監督になる、というシナリオだ。

 松井は確かに人間的には素晴らしいが、勝負師としてはどうなのか。そこは少し気になる部分だが、それでも「巨人・松井監督」は初夢としては最高だ。

 金本も引退会見の際、南球団社長が「チームを引っ張っていける指導者になれる」と事実上の監督手形を出している。

 アニキと慕われチーム内で信望が厚く、求心力は和田豊監督(50)以上。チームが2013年も低迷し、3年連続でクライマックスシリーズ(CS)進出を逃すようだと、一気に金本監督待望論が強まるだろう。

 ということは巨人、阪神とも早ければ1年後には監督交代? 松井、金本の監督対決は2014年にも実現するかもしれない。

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