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01/14 19:41更新
【関西の議論】
コンビニエンスストア最大手のセブン-イレブン・ジャパンは、戸籍謄本、戸籍抄本を店頭で取得できるサービスを11日から開始した。戸籍謄本は世帯に関するすべての情報が入っている“究極の個人情報”。本籍地から離れた場所に住む人や平日に休みが取得できない人には朗報だが、個人情報の漏洩(ろうえい)に対する備えは万全なのだろうか…。
このサービスは、セブン-イレブンのコンビニ全国約1万3600店で、奈良県生駒市と滋賀県愛荘町の戸籍謄本・抄本を取得できるというもので、業界初の試みだ。
戸籍謄本・抄本は戸籍のある役場で取得するのが原則で、郵送での請求に応じる自治体もあるが、取得には1~2週間かかる。役所の窓口での応対は平日の日中に限られるが、今回のサービスを利用すれば、早朝から夜間まで、しかも本籍地以外の全国のコンビニで入手できる。受付時間は生駒市が午前6時半~午後11時、愛荘町が午前8時半~午後8時。手数料は生駒市が250円、愛荘町は350円。
サービスの仕組みはこうだ。本籍地と住民基本台帳カード(住基カード)の発行自治体が同じ場合のみ利用可能で、ちなみに住基カードは住民登録されている自治体の窓口で発行している。戸籍謄本・抄本のデータについては、自治体が各店舗に設置された端末(マルチコピー機)に戸籍情報のデータを転送する。
操作方法は、各自治体に設置されている証明書自動交付機と基本的に同じ。コンビニ店内にあるマルチコピー機に取り付けられているカード読み取り端末に住基カードをかざし、カードに登録されているパスワードを入力。料金を入れた後は案内画面の指示に従って戸籍謄本か、戸籍抄本か必要な書類の種類を選択すると、印刷された戸籍謄本・抄本が出てくる。
戸籍原本に載せられるすべての情報が印字されたのが戸籍謄本、一部分の情報は戸籍抄本というが、いずれにせよ“個人情報の塊”といえる。心配なのは、この情報が漏れることだ。
セブン-イレブン・ジャパンによると、マルチコピー機は基本的に利用者が操作し、店員は質問があれば答える程度。住基カード作成時に設定したパスワードを入力しなければ操作できない仕組みのため、「店員が利用者の戸籍謄本・抄本を閲覧することはない」という。
また、自治体と店舗間は専用ネットワークで結ばれ、マルチコピー機には偽造や改竄(かいざん)を防ぐ高度なセキュリティー対策を導入。利用者が戸籍謄本・抄本を取り忘れた場合でも、約10秒後には注意を呼びかける音声が流れる。
セブン-イレブン・ジャパンは、平成22年から住民票の写しと印鑑登録証明書の発行サービスを開始。現在は生駒市や愛荘町、兵庫県西宮市など42の自治体が参加し、「情報漏れなどの報告はない」(担当者)という。
市町村合併が進み、さらに行財政改革の一環として出張所や支所といった住民にとって身近な窓口の閉鎖が相次いでいる。生駒市の担当者も「すぐに窓口閉鎖ということはないが、窓口業務をコンビニに代行してもらえば、職員の人件費削減の効果が期待できる」としている。
一方、セブン-イレブン・ジャパンにとって、発行による手数料収入はわずかで、収益へのプラスはほとんどないが、「戸籍謄本・抄本を取ったついでに何か買ってくれることへの期待が大きい」(関係者)。
自治体、コンビニ双方にとってメリットのあるサービスだけに、生駒市、愛荘町以外にも今後サービスが広がりそうだ。(松村信仁)