成長か環境か…対立鮮明 温室効果ガス削減が招く経済停滞
2009/03/29 07:13更新
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政府が提示した5つの温室効果ガスの削減目標は、ポスト京都議定書の国際交渉のリード役を期待される日本としては不十分な内容になった。経済産業省や産業界の「成長重視派」と、環境省や環境NGOの「環境重視派」との対立の構図が、そのまま持ち込まれたためだ。両派の議論はかみ合わず、地球温暖化を防ぐ手だてはみえてこない。
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記事本文の続き 目標案には、成長重視派から経産省所管の日本エネルギー経済研究所や慶応大産業研究所、日本経済研究センターが、環境重視派では環境省所管の国立環境研究所がかかわった。
成長派は、温室効果ガスの削減負担による経済へのマイナス影響を大きく見積もる一方、環境派は、影響を小さく試算し、激しく対立した。
例えば、国環研は、エコカーや省エネ住宅などに積極的に投資をすれば、省エネ効果や関連産業の成長で負担は減殺されると主張。これに対し、慶応大などは産業構造や雇用・家計への打撃を重視し、経産省幹部は「国環研の数字は出来が悪い」と酷評した。
さらに外野でも、環境NGOなどが27日、「30%削減の目標を掲げるべきだ」とする声明を発表し、「検討委の案はコストばかりが強調されている」と批判。一方、電力業界などは15%削減にさえ「現実的ではない」とし、産業の国際競争力に与える影響をもっと重視すべきだと主張した。
ただ、双方の分析は前提がまちまちで、公平に比較検討するのは困難で、検討委の委員からも「分かりにくい」との声が漏れた。
また、政府が検討している温暖化対策と景気対策を両立させるグリーン・ニューディール政策や、温暖化対策が遅れた場合の自然災害に対するコストが考慮されていないなど、“穴”だらけだ。
検討委は、京都議定書の6%削減目標は国民的な議論がないまま密室で決められたとの批判を浴びたことを反省し、昨年11月に設置された。政府は、検討委の議論を基に6月に中期目標を決めるとしているが、それまでに国民合意を形成するのは至難の業だ。(臼井慎太郎、杉浦美香)
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