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【産経抄】2月15日

2012/02/15 03:01更新

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 時代や地方、男女によって多少の違いはあったが、近代になるまでの日本では数え年15で大人になるとされた。農耕を中心とした社会が、早く一人前の働き手になることを求めたからだろう。貴族や武家では15歳になった男の子の「元服」の儀式を行う風習があった。

 ▼司馬遼太郎氏の『義経』には、奥州に向かう牛若丸が旅の途中、一人で元服する場面がある。すでに16歳になっていた牛若丸としては、平家打倒の宿願を果たすため、一刻も早く大人になりたかったのである。名前も自ら源九郎義経と改める。

 ▼明治になって太政官布告で満20歳以上が「大人」と定められた。この年から選挙権が認められ、酒やたばこが公認されてきたのもそのためだ。一方でその20歳になっても成人式に暴れるなどする「大人になれない若者たち」が、社会問題ともなっている。

 ▼そんな風潮を正すかのように、山形市の中学校などで、15歳の元服にならって「立志式」が毎年行われている。ほとんどが満14歳になった2年生たちが、両親らの前で将来への決意を語るのだという。大人になる自覚を促すためなのだろう。

 ▼残念なことに、この「現代の元服」を知ったのは悲しいニュースからだった。自宅が全焼して亡くなった山形市立第九中の伊藤有彩さんは、その前日に「立志式」で誓いを立てたばかりだった。「困っている人がいたら進んで助け、役に立つ人間になりたい」と力強く語った。

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記事本文の続き ▼立派な決意は家族や友人、先生たちの悲しみを増すばかりだろう。しかし一緒に将来を誓った同級生たちには、有彩さんに負けない志を持った大人へと成長してほしい。この意義深い「立志式」も、ずっと続けてもらいたいと思う。

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