音楽と融合し保護犬救え イズミカワソラさん
2009/10/19 10:59更新
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■動物愛護会社を立ち上げ
針金を巻かれていたのだろうか。口が壊死(えし)し取れそうになったその犬は、動物愛護センターで、来るはずのない飼い主を待ち続けていた。
抱きしめると小さな舌でペロペロとなめてくる。虐待されても人間を信じ続けるその力に衝撃を受けた。
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記事本文の続き 「センターには、明日には殺されてしまう動物がたくさんいる。助けても助けてもいたちごっこ。でも、行動しなくてはと思ったんです」
すぐに国や自治体を動かすのは難しくても、多くの人に現状を知ってもらうことに意味があると考えた。
「近ごろ、想像ができない人が増えたと思う。犬の寿命を13年として、13年後を想像することができない。転勤したら、結婚したら、子供ができたら…。飼い主だけじゃない。その家族に合った特性の犬種をアドバイスするなど、動物を売る側にも責任を持ってもらいたい」
たどり着いたのは、10年以上続けてきた音楽活動との「融合」だった。
◇
同志社大卒業後、2年半の社会人生活を経てデビューした“変わり種”だ。
「2年前、保護した犬の一時預かりをするボランティアに応募したのが始まりでした」
3匹目のチワワを預かったときのこと。その犬は夜になると、不安のあまり鳴いたり引っかいたりした。
「犬を飼うことには自信があったのに、そのワンちゃんは抱きしめてもダメ。センターは犬をこんなにも不安にさせるのかと驚くとともに、もっと犬のことを勉強しようと思いました」
半年間で、ドッグセラピストやドッグアドバイザーなど、5種の資格を取得。今年1月には、保護犬の殺処分ゼロを目指して啓発を進める株式会社「ドッグライツ」を立ち上げた。
活動の中心はフリーマガジン「Dog-Rights」の発行。音楽活動で得た人脈も生かし、有名ミュージシャンのインタビューを掲載し、犬に興味がない人にも読んでもらえるよう心がけている。
◇
一見、関係のないように見える音楽と動物。しかし、「がんばろうと力をもらえたり、自分を見つめ直したりできるのは同じ」と自然に両者を融合させた。
自身の音楽活動にも変化があった。これまで着ていた鎧(よろい)が取れ、かわいいものはかわいい、きれいなものはきれいといえるようになった。
将来の飼い主予備軍である子供たちに向けた啓発が今後の目標だ。
「法律を直接変えることはできなくても、アタックすることはできる」
どこまでも人間を信じる小さな瞳に応えるため、立ち止まるわけにはいかない。(道丸摩耶)
■イズミカワソラ(いずみかわ・そら) ミュージシャン。広島県出身。2歳のころからピアノやエレクトーンを学び、平成10年にシンガーソングライターとしてメジャーデビュー。CMソングや他アーティストへの楽曲提供などでも活躍する。21年1月、犬猫の殺処分ゼロを目指し、株式会社「ドッグライツ」を設立した。
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