【ペット大好き!】作家 稲葉真弓さん 甘えん坊のいたずらっ子
2012/02/13 16:45更新
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愛すべき自慢のペットを素顔で語ってもらう企画。昨年、谷崎潤一郎賞を受賞するなど、文学界で活躍する作家、稲葉真弓さん(61)の登場です。
名前 ボニー
種類 雑種
性別 オスの12歳
■先代の猫に導かれるように
前に飼っていた猫のミーが死んだ後、ペットロス症候群になるほど落ち込み、もう絶対に猫は飼わないと思っていました。ミーが亡くなってから2年後、友人の作家、笙野(しょうの)頼子さんから「保護した野良猫が増えたので里親を探している」と言われたのですが、自分で飼うのはとても迷いました。
でも、何か気になって、笙野さんの自宅に伺ったときに、ボニーがいたんです。その時はまだ1歳になったばかりで、やせっぽちのとんがった顔の小っちゃな子でした。
その子が、私が自宅から持ってきたミーが使っていたキャリーバッグの中に、シュッシュッシュッと入っていったんです。猫は普通、他の猫のにおいがする物を嫌うはずなのに…。だから、これはボニーが「僕を連れて行って」と言っているのかなと思ったら置いて帰れなくなりました。
うちに来る前、ボニーは夏目漱石の名作の題名の「坊ちゃん」って呼ばれていました。私だけの名前をつけたいと思ったんですけど、あんまり違うイントネーションでも猫ちゃんも困ると思って。それで私、映画「ボニー・アンド・クライド」が好きなので、語呂もいいし、ボニーにしました。
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記事本文の続き うちに来たばかりのころは、テレビの奥に隠れて、じっとこっちをうかがっていました。でも、2日くらいたったら、ひょいと降りてきて、私の足元に来るようになりました。
■私に絶対的な信頼感
性格はいたずらっ子。私が仕事なんかしていると、自分の方に振り向いてほしくて、よく鳴きますね。振り向かないで仕事をしていると、私が作業をしているパソコンのキーボードの上に乗って、書いていた文章を消してしまったりする。あとはマウスを手ではらって、飛ばしてしまう。これがほとんど毎日、続くんです。私とボニーとの攻防戦ですね。
そんなボニーを一度は叱るんですけど、私が相手するまで鳴き続けるので、いったん作業をやめて、数分間、ボニーと一緒に遊んであげるんです。まあ、私にとってもよい気晴らしになっています。
多分、ボニーは私を独占したいんだと思います。そんなボニーがとてもかわいいですね。
毎晩、ボニーは私の股の間に体を挟んで、顔を私の方に向けて寝るんですけど、重たくて。重りをつけて寝ているみたいで、腰が痛くなってしまう。耐えられなくなって、横向きに寝たりするんですけど、それでもボニーは私の足のそばで寝ようとする。私のどこかに触れていたいんだと思います。
正直言って、勘弁してよと思うこともあるけれど、安心した表情で寝ているボニーを見ると、ボニーが私に絶対的な信頼感を持っていると感じる。そんな時は、強烈な友情を感じますね。
ボニーもあと8年で、ミーが死んだ20歳になります。私はボニーの最後を看取るまで、きっちり生きていきたいですね。
(構成:植木裕香子/撮影:瀧誠四郎/SANKEI EXPRESS)
◇
■いなば・まゆみ 1950年愛知県出身。デザイナーなどを経て、作家、詩人に。73年に『蒼い影の傷みを』で婦人公論女流新人賞、92年に『エンドレス・ワルツ』で女流文学賞、95年に『声の娼婦』で平林たい子文学賞、『海松(みる)』で2008年に川端康成文学賞、10年に芸術選奨文部科学大臣賞。11年に『半島へ』で谷崎潤一郎賞受賞。
◇
【ガイド】
近著に『千年の恋人たち』『ミーのいない朝』(いずれも河出書房新社)、『砂の肖像』『環流』(いずれも講談社)、『唇に小さな春を』(小学館)などがある。
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