【奥多摩だより】柿に降る雪(東京都あきる野市)
2012/02/13 14:09更新
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酷使されて疲れ果て、やっと週末。あすは土曜日、寝ていたいと思ったら雪の予報だ。デスクはイジワルで、老骨にムチを打っても出かけろという。もっとも、ここで連載の1回分ができるか否かで、その後の精神的状況に大きく影響する。必死に起きあがって早朝に奥多摩方面を目指した。
武蔵五日市駅前、雪は…ない。でも少し奥の高いところは白くなっている。降ったばかりの雪だ。バスで向かった、あきる野市の養沢地区では木々に白く積もっている。養沢川の岸では、竹林が雪の重みに耐えかねて首(こうべ)を垂れていた。
昔雪国で暮らして、その不便さは多少は身に染みているが、勝手なもので、いい思い出ばかりが残っている。年賀状に「いくたびも雪の深さを尋ねけり」と子規の句を書いてきた友人がいた。過ごした時代と雪国が懐かしく、雪を見ると思い出すことが多いのだ。小生は東京へ来て、彼は九州へ戻った。今も西国から、北の国を思っているのか。
川に沿った集落の柿に実が残っていた。秋には満艦飾だったが、鳥がついばんだのだろう、残りが少ない。その朱色に雪が降っていた。ヒヨドリが飛んできた。
あいつは今頃…。
(野村成次、写真も/SANKEI EXPRESS)
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■のむら・せいじ 1951(昭和26)年生まれ。産経新聞東京、大阪の写真部長、臨海支局長を経て写真報道局。休日はカメラを持って、奥多摩などの多摩川水系を散策している。
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