【逍遥の児】天に舞う「すみだしぐさ」
2011/10/25 16:30更新
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東京青年会議所(JC)墨田区委員会の若者たちが空模様を眺めている。やきもきして。週末。東京・墨田区立文花中学の校庭では地域の祭り。朝から雨が降ったり、やんだり。東京スカイツリーは雲間に隠れたままだ。
JCの若者たちは「すみだしぐさ」運動に取り組んでいる。江戸時代の相手を想うしぐさを現代に復活。子供たちになにができるか考えてもらい、標語にする。「がまんぼう」(嫌なことがあっても辛抱する)「にもっち」(重い荷物を持っている人の代わりに持つ)「あしおりしぐさ」(前を通る人がいたら足をひっこめる)。「電車シーぐさ」(電車のなかでは静かにする)
この日は1000個の風船を用意。すみだしぐさを書いたカードを添えて子供たちが空に飛ばし、発信する計画だ。いつ、風船を放つのか。
正午過ぎ。雨がやんだ。一室で作業中の長谷川由美委員長に実行委員が声をかけた。委員長、決断を。
「よし。今、やりましょう」
若者たちが急いで風船を校庭に運び出す。集まっていた子供たちに手渡していく。
そのとき。厚い雲が切れた。一瞬、秋の陽光が差し込む。カウントダウンが始まる。3。2。1。それっ。一斉に放った。赤、青、黄、白。色とりどりの風船が空に舞う。歓声があがる。少年が叫んだ。
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記事本文の続き 「スカイツリーを超えていけ」
JC墨田区委員会の会員は25人。経営者、弁護士、料亭の若旦那、会社員らで構成されている。昨年から「すみだしぐさ」運動を開始した。小学校を訪問してまず、落語から始める。3人の落語家(ボランティア)が日替わりで高座に座る。古典落語を披露して子供たちを江戸の世界に誘(いざな)う。
続いてグループ討議。日常生活のなかで嫌だったことやうれしかったことを語り合い、標語を作っていく。そして実践する。将来的には「世界一マナーのいいスカイツリーの町」をめざすという。
実はこの日、飛ばした風船には花(ネモフィラ)の種が添えられている。可憐(かれん)な青紫の花が咲く。長谷川委員長は「同時に思いやりの花が咲くといいなと願いを込めて」と微笑(ほほえ)んだ。
(塩塚保/SANKEI EXPRESS)
◇
■逍遥 気ままにあちこち歩き回ること。
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