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【青信号で今週も】ワクチン(4) 培養細胞 大和田潔

2009/09/28 17:20更新

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 前回、あるウイルスのワクチンの製造には、そのウイルス自体を増やす必要があることや、ウイルスが増える細胞が決まっていることを紹介しました。インフルエンザウイルスは、「鳥インフルエンザ」があるように、ニワトリの細胞に取り付きやすく、増えやすい性質を持ちます。

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 そのため、日本では「鶏卵法」と呼ばれる方法、つまりニワトリの有精卵の細胞内でインフルエンザウイルスを増やす方法が用いられていました。ところが、新型のウイルスは鶏卵内の増殖が遅いこと、有精卵の準備を急に増やすことは不可能なことから、ワクチン製造数が頭打ちになってしまっています。


 日本政府はスイス・ノバルティス社のワクチン、セルトュラ(Celtura)の輸入を決め、国内での治験(臨床試験)を始めました。そのワクチンは鶏卵を用いない、最先端の技術を用いて、効率の良い方法で作られています。まず、2009年に米国で採取された新型インフルエンザウイルスから、型を決定する遺伝子を採取。その遺伝子を、ワクチン製造用のウイルスに組み込みました。組み込む型を変えることにより、鳥インフルエンザウイルスでさえも簡単にできてしまうという優れものの技術です。必要とされるウイルスを新たに作成したわけです。


 さらに、このウイルスをあらかじめフラスコの液内で培養しておいた、メイディン・ダービー・イヌ腎臓細胞(MDCK細胞)に感染させます。MDCK細胞はもともと、インフルエンザウイルスが取り付きやすく、また増殖しやすい細胞です。いくらでも増え続ける培養細胞を用いることにより、効率よく大量にウイルスを回収することができます。


 さらに、彼らはMF59という大変に小さく均一化した油粒子をワクチンに混ぜることにしました。そうすることにより、油粒子を飲み込み分解しようとした免疫細胞が、同じ部位にある「ウイルスのかけら」であるワクチンも飲み込むことになり、認識率が上がるのです。MF59のような化合物を免疫増強剤、アジュバントと呼びます。

 (総合内科医 秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS

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