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【青信号で今週も】ワクチン(2) ウイルス 大和田潔

2009/09/14 15:59更新

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 インフルエンザインフルエンザウイルスによって引き起こされる病気です。ウイルスは遺伝子情報を持つDNAやRNAとそれを包む殻(から)でできています。殻の表面には特定の細胞にくっつくための「スパイク状の」突起がたくさん出ています。

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 突起の種類によって、インフルエンザウイルスはA型、B型と分けられます。A型ウイルスにはHとNの特徴的な突起があって、それによりさらに細かく分けています。今回の新型インフルエンザウイルスはH1N1と呼ばれるものです。まだヒト-ヒトの流行は起きていない強毒性鳥インフルは、H1N5に分類されます。


 ウイルスは結晶化することも可能なほどシンプルな構造をしており、物質と生物の間に位置するとも考えられ、生物の定義を考える上でも興味深いものです。ウイルスは非常に単純化された構造を持っていて、自力で増殖するシステムを持ちません。彼らは、生きた細胞に取り付き、細胞の中のシステムを拝借して自分たちを複製、細胞膜をも利用して外に出てきます。さらにそのウイルスが近傍の細胞に取り付く、という形で増えていきます。


 「鯉(こい)ヘルペスによって養殖鯉が全滅」というニュースを聴いたことはありませんか? 鯉ヘルペスは鯉の細胞に取り付くもので、私たちの細胞には感染しません。私たちに取り付くヘルペスは、ヒトヘルペスウイルス(HHV:human herpes virus)と呼ばれるヒトの細胞に取り付くウイルスです。


 強毒性の鳥インフルが恐れられているとおり、インフルエンザウイルスは鳥の細胞で増える性質があります。今のところ、強毒性鳥インフルは、ヒトからヒトに感染しにくいため、流行が起こっていないわけです。今回の新型インフルはヒトからヒトへの感染力を獲得したため流行しました。


 あるウイルスのワクチンを作るためには、そのウイルスを増やす必要があります。インフルエンザウイルスは鳥の生きている細胞で増えるため、有精鶏卵が用いられるのです。次回はその作り方についてお話いたします。

 (総合内科医 秋葉原駅クリニック院長 大和田潔(おおわだ・きよし)/SANKEI EXPRESS)

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