チェス、将棋…人間を超える人工知能 2億手の先読みも可能
2012/02/23 09:18更新
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【from Editor】
日本将棋連盟会長の米長邦雄永世棋聖が先月、コンピューターソフトに公式対局で初めて敗れた。最強ソフトとの対決に挑んだ米長会長への敬意とともに思い出したことがある。
1997年5月、チェスの世界王者、ガルリ・カスパロフ(ロシア)とIBMのスーパーコンピューター「ディープ・ブルー」の対局だ。競技人口の多いチェス界で当時15年間も世界タイトルを保持、人類最高の頭脳といわれたカスパロフと、1秒間に2億手もの先読みが可能な超高速演算能力を誇るディープ・ブルー。米ニューヨークで行われたこの大一番は、2勝1敗3分でディープ・ブルーの勝利に終わった。
この対局で鮮明になったのが指し手の「読み」を検索する方法の違い。有望なひとつの手を深く掘り下げる人間に対し、コンピューターは考え得る全ケースを検索して悪い手を次々と破棄する。砂丘で落とした宝石を探すとき、自分の足跡をたどる人間に対し、コンピューターはブルドーザーで砂をあさってどんどんふるいにかけていく方式だ。
では将棋の世界ではどうなのか、と当時の東京農工大教授、小谷善行さんに話をうかがった。小谷さんは「将棋はチェスに比べて複雑だが、相手に応じた差し方を覚えるシステムができる2015年ごろにはプロ棋士に勝てるのでは」との予想。結果は冒頭のごとく、少し早めの現実となった。
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記事本文の続き その一方で、人の知恵の肩代わりをする「人工知能」の開発も進む。以前、取材した第2世代人工知能によるサッカー国際大会「ロボカップ」の「シミュレーション2Dリーグ」ではパソコンの大画面上で11個の人工知能選手同士が対戦、パスやドリブル、シュートと自分で動いていた。うまくいけば評価点が上がるが、失敗すれば下げられる。こうして経験を積ませ、状況下での動きを学習してもらうという壮大な試みだが、空振りしたりボールから逃げたりと、こちらはまだまだの印象だった。
思い出にふけっていたら、弊紙の連載「情報の未来」で、携帯電話「アイフォーン4S」に組み込まれた秘書機能「Siri(シリ)」が紹介されていた。携帯に「おなかがすいた」と話しかけると、音声を認識する人工知能がその意図をくんで「こんなレストランがあります」と女性の声で返してくれるという。人工知能の進化にわが頭脳は追いつかず。馬齢を重ねたことを痛感した次第。(地方部次長 大野正利)
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