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連続不審死第16回公判(2)「喧嘩も仲直り」2人の信頼関係強調する弁護側

2012/02/06 13:03更新

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木嶋被告 第16回公判

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(1)木嶋被告に「ベタぼれ」だった安藤さんに戻る

 (10:20~10:40)

 《首都圏の連続殺人事件で練炭自殺に見せかけ男性3人を殺害したとして、殺人などの罪に問われた木嶋佳苗被告(37)に対する裁判員裁判の第16回公判(大熊一之裁判長)はさいたま地裁で続いている》

 《第16回公判で、千葉県野田市の安藤建三さん=当時(80)=に対する殺人事件の審理が始まった。検察側の冒頭陳述が終わり、弁護側の冒頭陳述が行われる》

 《若手の男性弁護人が証言台付近に近付き、説明を始める。法廷内にある2つの大画面に、「千葉事件・冒頭陳述」と映し出された》

 弁護人「平成21年5月15日、(安藤さん宅で)火災が発生しました。たばこの火が原因となった疑いがあります」

 《木嶋被告は平成21年5月15日午前、安藤さん宅で安藤さんに睡眠導入剤を飲ませて眠らせ、こんろを使って練炭に火をつけ、午後0時55分ごろに一酸化炭素中毒とやけどにより死亡させたとして起訴された。この事件で安藤さん宅は全焼している》

 《弁護側は、木嶋被告が準備した練炭に火をつけたとする検察側の主張に真っ向から反論した》

 弁護人「安藤さんはヘビースモーカーでした。くわえたばこで歩き、灰が床に落ちていたこともあります」

 《弁護側は、出火原因について、安藤さんの「たばこの火の不始末が原因」ということを印象づけたい様子だ》

 弁護人「20年6月、木嶋被告は▲▲(婚活サイト、法廷では実名)に登録し、79歳の男性を見つけました。79歳で交際相手を探す男性のプロフィルに興味を持ちました。息子とは不仲であることが書かれていました」

 「安藤さんは▲▲で『(最期を)看取ってくれる相手』」を探していると、木嶋被告に伝えました。旅行に行ったり、掃除や食事の準備をしてくれれば援助してもよい、と」

 《弁護側は木嶋被告が20年6、7月の2回、計80万円の援助を受けた際、サイトに大学院生と書き込んでいたため「学費が必要」と虚偽の説明をしたと明らかにした》

 《さらに、安藤さんと肉体関係はなかったとした上で、安藤さんから設備がそろったラブホテルに行ってみたいと持ちかけられたと主張した》

 弁護人「木嶋被告は安藤さん宅を掃除したり、自宅で下準備した料理を安藤さん宅で振る舞ったところ、安藤さんは喜んでいました」

 「安藤さんは木嶋被告に小遣いや(安藤さんの)父親が描いた絵をくれました」

 《弁護側は、検察側の主張する「絵画の無断持ち出し」についても反論した。検察側は、平成20年10月、木嶋被告が安藤さんを睡眠薬で意識喪失させて絵画を持ち出したと主張している》

 弁護人「安藤さん宅を掃除中、木嶋被告は(安藤さんの)カードの利用明細を見つけ、キャッシングをしていることが分かりました」

 「木嶋被告は『経済的に苦しい中で援助してくれている』と考え、自分でお金を出したこともあります。日帰り温泉に行ったときや、浅草に行ったときには自分でお金を出しました」

 《証言台の前に立った弁護人は裁判員らに体を向けて、手ぶりを交えながら抑揚をつけてゆっくりと説明を続ける》

 弁護人「安藤さんのカードの支払いでお金を出したこともあります」

 《弁護側は木嶋被告が一方的に金を受け取っていたわけではなく、木嶋被告と安藤さんが対等な立場にあったと印象づけたいようだ》

 弁護人「安藤さんは79歳と高齢だったが、木嶋被告と気が合い、手料理を振る舞うこともありました。木嶋被告はお金がもらえなくても掃除や食事の準備をしていました。20年12月には銀行からお金を下ろすことも頼まれるようになりました」

 「20年12月26日、池袋で買い物をしました。安藤さんは疲れて先に帰りましたが、安藤さんからクレジットカードを渡された木嶋被告は、このカードで年末年始用の食品を買いました」

 《2人の“信頼関係”を強調する弁護側。検察官はじっと聞き入っている》

 《弁護人は21年3月、木嶋被告が安藤さんから「別の交際女性」の存在を知らされたと説明。木嶋被告が「『最期を看取る相手』が見つかったと思った」と指摘した》

 弁護人「『自分の存在が誤解されてもいけない』と考えた木嶋被告は『これからもよい相談相手でいましょう』と安藤さんにメールを送りました」

 「3月23日、安藤さんから『援助した金のことで訴える』とメールが届きました。驚いて電話で話したところ、安藤さんは『これまで通り掃除や食事の準備をしてほしい。京都へ旅行にも行きたい』と話していました」

 「木嶋被告は安藤さんが望むのであれば、と仲直りしました」

 《その後、木嶋被告が安藤さんから部屋の模様替え、畳替えを手伝ってほしいと頼まれたと主張。2人は「部屋の模様替えが終わったら旅行に行こう」と話し合っていたという》

 《事件当日の21年5月15日の状況について弁護側の冒頭陳述が始まった》

 弁護人「5月15日の午前中に畳替えを手伝うことになっていました。午後は用事がありました」

 「午前9時に車で掃除用具を持って家に着いたところ、畳はすでに搬出されていました」

 「夕方に畳が戻って来るというので、掃除や食事の準備をしていたところ、安藤さんから100万円を返したいと言われました」

 《突如明らかにされた「100万円」。木嶋被告が支払ったと弁護側が主張する日帰り温泉旅行や浅草での遊興費、カード支払いの立て替え分だろうか。弁護側から100万円の名目について説明はない》

 弁護人「木嶋被告は安藤さんから『(口座の)残りを持ってきてほしい』といわれ、100万円は自分の口座に送金してもよいかと安藤さんに確認しました」

 「10時ごろ、自分の口座に100万円を送金し、88万円を安藤さん宅に持って帰り、渡しました」

 「10時半ごろ、安藤さん方から帰りました。安藤さんは疲れた様子でした」

 《弁護側は続いて、出火原因が「火の不始末」とする根拠について説明を始めた》

 弁護人「安藤さんはたばこ好きで、トイレや風呂場にも灰皿を置いていました。当日は模様替えで部屋も散らかっていました」

 「死因は一酸化炭素中毒とやけどの競合とされますが、火の不始末では一酸化炭素中毒や最も多いとされています。(専門誌の)『火災誌』の論文で明らかにします」

 《さらに、弁護側は安藤さんが木嶋被告と交際中に意識障害に陥ったとする検察側の主張に反論を始めた。過去の入通院時に撮影された安藤さんのMRI(磁気共鳴画像装置)では古い脳梗塞(こうそく)が見つかっていると指摘した》

 弁護人「検察側は睡眠薬が原因というが、(脳に血液が行き届かなくなる)脳虚血の疑いがあります。当時診察した医師は『一過性脳虚血発作』の可能性も疑っていました。大脳の動脈にも狭窄(きょうさく)が見つかっています。これらは脳外科医の意見書で明らかにします」

 《これで弁護側の冒頭陳述も終了した。検察側が「釈明を求めます」と声を上げた》

 検察官「(事件当日の)5月15日に通常の数倍の睡眠薬が安藤さんの体内から検出されています。検出された事実について争いますか」

 弁護人「検察側が主張する睡眠薬を服用させたという事実はありません。睡眠薬の検出に対する反証の予定はありません」

 《午前10時40分、休廷に入った。木嶋被告はほぼ満席の傍聴席をちらりと見やった》

(3)嘘のプロフィル、入金された日に事件発生…に続く


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