【裁判員3日目】(6)「攻撃意志のしつこさも明らかで悪質」感情込めて論告読み上げる検察官
2009/08/05 12:44更新
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《検察側の論告は続く。背筋を張った検察官のよく通る声が、静まりかえった法廷に響く。伏し目がちのまま、ほとんど表情に変化のない藤井勝吉被告。一方、裁判員は真剣な表情で検察官を見据えたり、手元に目をやったりと、それぞれが論告に聞き入った》初の裁判員裁判 全詳報
検察官「被告は被害者の胸を刺したときのことについて、ナイフを持った指に柔らかいものが当たったという感触を生々しく語りました。逃げようとして、背中を向け、無防備になっているにもかかわらず、被告は背後から被害者を刺しているのです。加えて、小島(千枝)さん(被害者の文春子さんが日本で使っていた名前)の家の前までサバイバルナイフを持って逃げる被害者を追いかけており、攻撃意思のしつこさも明らかで悪質です」
《犯行の状況を繰り返し詳細に説明し、残忍さや殺意の“濃さ”を強調する検察官。藤井被告は無表情のまま。時折、自らの鼻や口に手をやって擦るようなしぐさをみせるが、法廷に関心を失っているようにも見える》
検察官「小島さんは被告のことを警戒し、接触を避け、トラブルになるまいとしていたのに、口論がきっかけで刺し殺されてしまった無念は明らかです。近隣住民の方々に対しても、不安感や恐怖感を与えるなど、大きな影響を与えました」
「被告はサバイバルナイフを見せたのに、被害者が言うことを聞かなかったため、メンツをつぶされたなどと考えて犯行に及びました。近隣住民間でトラブルがあったからと言って、サバイバルナイフを持ち出してきて、相手を脅していいはずがありません。近所の人との間で口論をしたとき、相手がいきなりサバイバルナイフを持ち出してきたら、皆さん、どう思うでしょうか。安心して生活することはできません」
「被告は(事件の)前日、競馬で負け、やけ酒を飲んでムシャクシャしていました。ペットボトルを倒したのは被害者だなどという証拠もありません。八つ当たり以外の何物でもありません」
《検察官は、事件が藤井被告の身勝手な犯行であることを再三指摘しつつ、犯行の経緯や状況など、藤井被告の供述の信用性の乏しさについても繰り返し言及する》
検察官「被告人は、小島さんが肩をつかんであごを押したとか、ひるまずに『やるならやってみろ』と言ったと供述しています。生活保護のことを言われてカチンときたとも供述していますが、被告人がそう言っているだけです」
「捜査段階で、(生活保護を)ばかにした話も全くしていません。小島さんは(事件まで)被告人とほとんど会っておらず、生活保護をもらっていたのを小島さんが知っていたことも信用できません。被告人は小島さんに責任を押しつけようとしています」
《検察側は被害者遺族の感情についても言及する》
「小島さんは女手一つで2人のお子さんを育て、苦労が多くありました。確かに気が強い側面もあったかもしれませんが、ナイフを持った前科のある男に自分から向かっていくとは思えません」
「2人の子供を立派に育て上げ、(家族のために)家事もよくやる親孝行。家族からも慕われ、家族の無念さも察するに余りあります。小島さんの母は『私にとって(小島さんは)本当に生きる支えでした。それなのに殺されてしまいました。本当に悔しくて仕方ありません』と言うとともに、被告に対して極めて厳しい処罰を求めています」
《遺族の思いを伝える際は、感情を込めて読み上げる検察官。裁判員の表情にも一層真剣味が増していく》
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