【裁判員3日目】(1)「包丁とかではなく、なぜナイフだったのですか」6人全員が被告に質問
2009/08/05 11:22更新
このニュースに関連したブログ
関連フォト
記事本文
《国民が刑事裁判の審理に参加する全国初の裁判員裁判は3日目を迎えた。5日も引き続き東京地裁1階の104号法廷で、東京都足立区の隣人女性殺害事件で殺人罪に問われた無職、藤井勝吉被告(72)の審理が開かれた》初の裁判員裁判 全詳報
《この日、開廷は午前10時に予定されていたが、直前になって「10分遅れる」との連絡が裁判所からあった。理由は冒頭で秋葉康弘裁判長が説明するという》
《午前10時7分、6人の裁判員が入廷してきたが、廷内では藤井被告の手錠が外れていなかった》
裁判長「ちょっと、ちょっと待ってください」
《裁判員の入廷は、被告の解錠後という決まりがある。いったん6人は奥に戻り、解錠が確認されてから再入廷。やっと開廷だ》
裁判長「それでは、開廷します」
《ここで、開廷が遅れた理由が明かされる》
裁判長「裁判員3番の方が体調不良で来られないという連絡が入りましたので、3番の方を解任することにしました。いいですか。その代わり(補充裁判員だった)7番を裁判員に任命したいと思います」
《正面向かって左から3番目の席に座っていた女性裁判員が体調不良を訴えたため、後方の座席に座っていた男性の補充裁判員が代わりに裁判員となるという。すでに7番の男性は、裁判員席に座っている》
《さらに、秋葉裁判長は続ける》
裁判長「補充裁判員3番は、必要がなくなったので、昨日解任しました」
《報告をすべて終えた後、秋葉裁判長は審理入りを告げた》
裁判長「では、昨日の続きに入りたいと思います」
《前日の4日は、事件を目撃していた近隣住民2人や被害者の文春子さん=当時(66)=の長男(37)への証人尋問を実施。さらに藤井被告に対する被告人質問も行われたが、予定時間をオーバーしてしまったため、5日の公判冒頭は前日からの積み残しとなった裁判官と裁判員による被告人質問が行われることになっている》
《被告人質問は裁判員が藤井被告に対して直接質問をぶつける最初で最後のチャンス。果たして、6人の裁判員は藤井被告に対し、どのような問いかけをするのだろうか》
裁判長「それでは、裁判員1番の方からどうぞ」
《向かって一番左に座っていた女性裁判員が口を開く》
裁判員1番(女性)「凶器に使われたナイフですが、道具箱にしまってあったといいましたが、なぜ小島(千枝)さん(被害者の文春子さんが日本で使っていた名前)と言い争ったときに、サバイバルナイフを持ってこようとしたのでしょうか」
藤井被告「なぜ、ナイフを持ってきたかということですか」
裁判員1番(女性)「はい」
藤井被告「ナイフを見せて脅せば私の話に納得するのではと思ったからです」
裁判員1番(女性)「包丁とかではなく、なぜナイフだったのですか」
藤井被告「包丁は長くて、ナイフより危険ですから」
裁判員1番(女性)「ありがとうございました」
《1番の女性が質問を終えると、引き続いて「2番」と呼ばれる左から2番目の女性裁判員が、そのまま質問を始めた》
裁判員2番(女性)「今お聞きした質問と重なってしまうかもしれませんが…。凶器は娘さんの遺品だったのですが、それを大事にしていなかったのかな、と」
藤井被告「いや、あのナイフは海に潜ってアワビなんかを取ってくるやつで…」
《藤井被告が裁判員の質問の意図と違う回答を始めたため、秋葉裁判長が助け船を出す》
裁判長「いや、今の質問は、遺品なのになぜぞんざいに扱ったのかということです」
裁判員2番(女性)「遺品なのに、使ってしまうのかなあ、と」
藤井被告「海で使ってたもので、タンスにしまうほどの価値のあるものではないと思ってました」
裁判長「そうではなく、そういう(遺品という)大事なものを、脅しとして使って気が引かなかったのですか?」
藤井被告「そこまで気が回りませんでした」
《次に質問を始めたのは、3番の女性裁判員の体調不良により、補充裁判員から裁判員となった7番の男性だ》
裁判員7番(男性)「犯行に及んで、我に帰って(被害者の文さんが)『死ぬかもしれない』と思ったと言っていましたが、救急車を呼ぼうとは考えなかったのですか」
藤井被告「近所の方が見ていたので大丈夫かと…」
《早口でしゃべる藤井被告の声が聞こえなかったのか、7番の男性裁判員が藤井被告に声をかける》
裁判員7番(男性)「もう一度お願いします」
藤井被告「近所の人が見ていたので救急車を呼んでくれるかと思って、怠ってしまったんです」
裁判員7番(男性)「分かりました」
《次々と質問を続ける裁判員。次は、前日に裁判員として初めて質問した向かって右から3番目に座る4番の女性だ》
裁判員4番(女性)「犯行直後に、小島さんから押し返されたと言っていましたが、間違いないですか」
藤井被告「間違いありません。倒れた状態で見たら、近所の住民が『人殺しー』と叫んでいましたから」
《さらにその隣、5番の女性が、藤井被告の質問が終わると同時に声をあげる》
裁判員5番(女性)「事件を起こした後、銀行(実際は信用金庫)で4万円下ろしたと言っていましたが、最終的に警察に行ったとき、いくら持っていたのですか」
藤井被告「6万円ぐらいです。最初に2万円持ってたので」
《そして、最後に残った向かって一番右の6番の男性裁判員が質問を始めた》
裁判員6番(男性)「えー、質問があります。最初に胸を突かれたと言ってますが、そのあともみ合いになって、あなたが倒れたところまで、その順番を知りたいのですが。あなたは最後に倒れたのですか」
藤井被告「最後に倒れました」
裁判員6番(男性)「被害者を刺されたのは、倒れる前ですね」
藤井被告「はい。最初に刺した位置は確認できませんでした」
裁判員6番(男性)「あなたが最後に被害者を見たのは、倒れた態勢だったんですか」
藤井被告「覚えているのは、近所の住民が『人殺しー』と言った記憶なんです」
裁判員6番(男性)「そのときは倒れていたんですか」
藤井被告「はい、倒れていました」
《これで、今日並んでいる6人の裁判員全員が質問したことになる。昨日までとはうってかわり、裁判員が活発に質問を投げかける。質問を終えた裁判員は、それぞれメモをしたり、次のやり取りに聞き入ったりしながら、裁判の行方を注視した》
関連記事
広告
関連ニュース
| タイトル | 更新日付 | 補足情報 |
|---|---|---|
| 【裁判員初公判速報】(1)日本初の6… | 08/03 14:30 | |
| 【裁判員 聴く】(17)被害者とのト… | 08/04 16:10 | |
| 【裁判員 聴く】(27)完 犯行後の… | 08/04 18:50 | |
| 【裁判員 聴く】(9)裁判長の言葉に… | 08/04 13:31 | |
| 【裁判員 聴く】(21)預金下ろした… | 08/04 16:56 |

































