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【よくわかるニュース解説】岩手がれき、島田市の試験焼却始まる

2012/02/17 11:59更新

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【よくわかるニュース解説】線量計を手にがれきを調べる細野豪志環境相(左)。中央は川勝平太静岡県知事、右は桜井勝郎島田市長=2月16日午前、静岡県島田市(共同) 

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【Nature】静岡県島田市の桜井勝郎市長=2月13日、静岡県島田市役所(田中万紀撮影)
がれきの輸送経路(岩手県山田町→静岡県島田市)

記事本文

 東日本大震災で発生した岩手県山田町のがれき約10トンの試験焼却が2月16日午前、静岡県島田市のごみ処理施設「田代環境プラザ」で始まった。被災地のがれきを東北地方以外で処理するのは東京都に続き2例目。

 市は焼却後の結果を専門機関などで詳しく分析し、本格受け入れの可否を検討する。

 試験焼却の対象は、山田町で発生した災害廃棄物のうち、木材をチップ化した約10トン。岩手県と静岡県、そして島田市は、搬出時の放射性物質の濃度を1キロ当たり100ベクレル以下に限定するといった基準を定め、検査を繰り返してきた。

 市によると、今回の作業で発生した焼却灰は市内の最終処分場には持ち込まず、市役所などで公開する。また、分析結果が全て判明するのは3月下旬となる見通しという。

 島田市の桜井勝郎市長(67)は昨年12月に受け入れ方針を表明。住民説明会の後、2月1日に岩手、静岡両県と島田市が覚書を締結。15日朝から16日朝にかけ、がれき10トンが入ったコンテナが搬入されていた。

      ■□■

 ≪「復興へ助け」声上げだした賛成派≫

 東日本大震災で発生したがれきの試験焼却に踏み切った静岡県島田市。受け入れ反対を声高に叫ぶ母親らが勉強会を開くなどして連携を強める一方、被災地の復興を助けるため、協力すべきだとして、市に受け入れを促す独自に署名を集めて提出する賛成派の市民も登場した。簡易ブログ、ツイッターなどで飛び交う無責任な噂や風評被害に惑わされない人々も着実に増えている。

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記事本文の続き ■「支援は行動で示す」

 午前8時46分に始まった試験焼却には、桜井勝郎島田市長(67)のほか、川勝平太静岡県知事(63)、細野豪志環境相(40)も施設を訪れ、作業に立ち会った。

 細野環境相は焼却開始前、ブルーシートに置いたがれきの上で放射線の量を自ら測定し、「毎時0.07マイクロシーベルト。通常の廃棄物だ」と安全性を強調し「島田市が一歩踏み出した。被災地に思いを寄せている自治体の首長のみなさんに、是非協力いただきたい」と呼び掛けた。

 島田市の桜井勝郎市長も「支援は行動で示したい。安全が確認されたら本格導入(するの)は間違いない」と訴えた。

 ■話さえぎり「中止を」

 しかし、ごみ焼却施設「田代環境プラザ」周辺には、受け入れに反対する住民ら約30人がプラカードを掲げ集結、細野環境相との対話では、十分な説明を求める一部の住民が詰め寄った。

 焼却開始後、住民の要望を聞く細野環境相は住民の要望に耳を傾け「安全が確認できれば、みなさんも受け入れに納得できると信じている」「灰の公開の際にみなさん自身で安全性を確かめてほしい」と説明した。

 だが、住民らは環境相の話を遮(さえぎ)り「環境汚染や健康被害が不安」「安全性についてもっと住民を納得させる説明を」などと受け入れの中止を訴え、話は平行線をたどった。

 「放射性物質は拡散させてはいけない」「わかりやすく説明を」など、住民らの要望が書かれた書面を受け取った環境相は、足早に施設を後にした。

 ■1122人分の署名簿

 しかし、被災地復興の力になりたいと願う賛成派もついに声を上げた。

 昨年12月、島田市で細野環境相に「声を上げてほしい」と呼び掛けられた賛成派。今年1月に桜井市長らが出席して開かれた住民説明会では「復興に向け助けようと思わないのか」といった意見が出たものの、賛成の声を上げたのはわずかだった。

 しかし2月15日には、受け入れに賛同する市民が1122人分の署名簿を市に提出した。「島田市が受け入れを断念すると、日本のどこも受け入れなくなる」と指摘し、強く受け入れを促した。

 島田市は焼却後の灰などに含まれる放射性物質の程度などについて検査、安全性が確認されれば3月中に受け入れを正式表明するが、被災地のがれき置き場の許容量は限界に近づいている。東京都や島田市に続く自治体が現れなければ被災地復興はままならない。

 (岡田敏一/SANKEI EXPRESS

       ◇

 ■がれきの広域処理 東日本大震災で出たがれきは岩手県で約11年分、宮城県で約19年分あり、被災地だけでは対応できないため、県境を越えた広域処理が必要だ。環境省は2014年3月末までの処理を目標としている。既に受け入れている東京都は岩手、宮城両県の計50万トンを受け入れる計画。東京電力福島第1原発事故が起きた福島県のがれきは対象外だが、放射性物質への懸念から住民が反発し、協力は進んでいない。

       ◇

 【がれき試験焼却の経過】

2011年

  11月10日 静岡県市長会と町村会が安全性確認などの条件付きで岩手県大槌、山田両町の震災がれきを受け入れるとの共同声明を発表

  12月13日 桜井勝郎市長が受け入れ方針を表明

     20日 島田市議10人が山田町を視察

     24日 桜井市長が試験焼却を経て受け入れを判断すると発表。細野豪志環境相が島田市で町内会長らに協力を要請

2012年

   1月11日 焼却施設のある伊太地区で桜井市長と環境省の横光克彦副大臣が住民説明会

     13日 最終処分場のある初倉地区で桜井市長と横光副大臣が住民説明会

     27日 桜井市長が試験焼却の実施を表明

   2月1日  岩手県、静岡県、島田市が試験焼却に関する覚書を締結

     7日  岩手県が山田町でがれき搬出作業を開始

     10~11日 山田町からがれき10トンを搬出

     14日 静岡市に到着

     15~16日 島田市の一般廃棄物焼却施設「田代環境プラザ」に搬入

     16~17日 試験焼却

 (SANKEI EXPRESS

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