ライバル紙(デーリー・ミラー)も盗聴疑惑
2011/08/05 00:16更新
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■マッカートニー前夫人ら被害
英日曜紙ニューズ・オブ・ザ・ワールドによる盗聴事件に端を発したメディアによる盗聴問題は、廃刊でも一向に沈静化していない。英BBC放送は8月3日、ニューズ・オブ・ザ・ワールド紙の長年のライバルだった有力大衆紙デーリー・ミラーなどを発行するメディアグループのトリニティ・ミラー社も著名人の電話を盗聴していた疑いがあると報じた。大衆紙記者が英王室関係者や著名人に盗聴をしかけることはこれまでもあったが、今回、盗聴が一般人も含めて幅広く行われていたことが明らかになり、事態は泥沼化の様相を呈している。
英BBCによると、盗聴されていたのは、ビートルズの元メンバーのポール・マッカートニーさん(69)の前妻のヘザー・ミルズさん(43)や、サッカーのイングランド代表で、マンチェスター・ユナイテッドのリオ・ファーディナンド選手(32)ら。
■記者は「知らない」
ミルズさんは3日、BBCの番組で証言し、マッカートニーさんと交際中の2001年、ミラー社の編集者から電話で、マッカートニーさんが彼女に残した留守番電話のメッセージについて取材を受けたことを明らかにした。その内容が実際のメッセージと全く同じだったため、盗聴ではないかと指摘したところ、記者は事実を認め、記事にしないと約束したという。
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記事本文の続き ところが、当時、デーリー・ミラーの編集者だったピアース・モーガン氏が06年に僚紙デーリー・メールに、「ミルズさんの携帯にポールが残したメッセージのテープを聞いたことがある」として2人の熱愛ぶりについての記事を書いたことで疑惑が再燃した。ミルズさんによると、その記事の内容も留守電メッセージと同じだったという。
モーガン氏は、英国の人気オーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」の審査員として有名になり、現在、米CNN放送でトーク番組を持っているが、今回のミルズさんの証言を根拠がないものとしたうえで、「自分は盗聴したことはないし、誰かに盗聴をさせたこともない」などと関与を否定する声明を出した。BBCは、ファーディナンド選手についても留守電に残されたメッセージを基に記事が書かれたとしている。
■一般人にも魔の手
一方、ロイター通信によると、英日曜紙ニューズ・オブ・ザ・ワールドをめぐる事件で、ロンドン警視庁は2日、新たに元編集幹部のスチュワート・カットナー容疑者(71)を警察幹部に対する金銭授与の疑いで逮捕。一連の事件での逮捕者は11人に上った。この問題では王室警護官に対し、王室関係者のリストを売るようニューズ社が持ちかけていたとBBC放送は伝えている。また、警察当局はすでにニューズ社から一般人を含む約4000人の盗聴対象者のリストを証拠として没収したという。
留守番電話のメッセージを聞くには通常4ケタの暗証番号が必要だが、所有者の多くは初期設定のままにしておくために容易に第三者が聞くことができたという。英国大衆紙ではとくに王室や有名人のゴシップ記事の人気が高く、このため記者もネタを取るための手段を選ばなかった。今回の事件は記者倫理の問題だけでなく、政治家や警官との関係、さらにゴシップを求める大衆の欲望が引き起こしたものといえそうだ。
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