【サウンドボックス】スティング「ウィンターズ・ナイト」
2009/10/21 19:24更新
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記事本文
《伝統音楽をポップなセンスに》
約3年ぶりに新作が出るというので楽しみにしていたら、帯に黄色い「ドイツ・グラモフォン」のロゴマーク。クラシック音楽のレーベルから発売ということは前作同様、ロックではなくクラシック系の作品かと落胆しつつ聞いてみたら、音楽をジャンルで語ることがむなしくなる何とも素晴らしい作品だった。
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記事本文の続き スティング(58)といえば80年代に世界的な人気を獲得した英バンド、ポリスのボーカル兼ベース奏者で、とりわけジャズに造詣が深いインテリ・ロッカーで知られるが、最近は欧州の教会音楽やフォーク/トラッドといった英国の伝統音楽に深く傾注している。
この最新作「ウィンターズ・ナイト」もタイトル通り、「冬」を題材に欧州のルーツ音楽の源流を辿(たど)るような内容だ。録音には当人を含む計15人が参加し、室内管弦楽団のような演奏を展開。仏バスク地方の聖歌「ガブリエルのメッセージ」をはじめ、スコットランドの子守唄、17世紀の英国作曲家の代表曲、15世紀の独の聖歌などを荘厳かつ華麗に披露する。96年の自身の楽曲の再録や自作曲も厳かでたおやか…。
古色蒼然(そうぜん)とした雰囲気の中にも、大衆に広くアピールするポップなセンスが垣間見られ、万人受けするサウンドに仕上がっているところが何ともニクい。一昨年から昨年にかけて敢行した23年ぶりのポリス再結成ツアーを境に、ロックやジャズと決別し、数百年前の伝統音楽を世に広める求道者の道を選んだかのようなスティング。ちなみに米国には、忘れ去られたカントリー音楽や黒人のルーツ音楽を世に広める旅を続ける巨人ボブ・ディランやブルース・スプリングスティーンがいる。ロック歌手の「旅」が新たな局面に入ったことを示す作品でもある。日本盤にはボーナス曲3曲入り。10月21日発売。
(安田幸弘/SANKEI EXPRESS)
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