【今、何が問題なのか】頑張っても無理しないで
2009/04/08 11:42更新
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東京マラソン参加中に倒れたタレントの松村邦洋(まつむら・くにひろ)さん(41)が2週間ぶりに元気な姿を見せた。「デブタレントを卒業したい」。以前と変わらぬ様子のおしゃべりに、ほっとした人も少なくなかったのでは。まっちゃんは無理をした? きょうのテーマは「頑張っても無理しないで」とした。
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4月3日、東京・有楽町のニッポン放送で、復帰会見に臨んだ松村さんは、レースを振り返ってこう話した。
「今回は皇居を走ったりして、かなり距離を踏んでいました。いけるかなという気持ちが強くて、出だしから飛ばしてしまいました」
■飛ばし過ぎない
東京マラソンは3月22日に開催された。スタート時(午前9時10分)の天気は曇り、気温は16.5度。風が強かったことを除けば、そう厳しいコンディションではなかった。松村さんは東京メトロポリタンテレビジョン(東京MXテレビ)の番組収録で参加していた。
午前11時半すぎ、スタートから15キロ地点の港区高輪で、松村さんは突然、転倒した。一時は心肺停止状態だったが、自動体外式除細動器(AED)による措置で回復、病院に搬送された。急性心筋梗塞(こうそく)による心室細動が原因だった。
3日の会見によると、「飛ばし過ぎ」を認識した松村さんは、調整のため足を止め、ガードレールに足をのせてストレッチを始めた。倒れたのはこのときだった。「気が付いたらベッドの上だった」という。
■コンディションを見極める
松村さんは自分が無理をしていることを認識した。しかし、気が付くのが遅かった。テレビの仕事の方に気持ちがいっていたのかもしれない。一般のランナーと違い、沿道のファンへのサービスもあったはずだ。
それでなくても、レース当日、自分の体調を見極めるのは難しい。
それまでの体重の増減、その日の気候、コースの高低差、参加ランナーの規模、沿道の観衆など、さまざまな要因がからみあって、自分自身がどんどん見えなくなる。
松村さんは「かなり距離を踏んでいました」と言った。これが落とし穴だった可能性がある。
走り込みは自信になるが、たちまち効果が出るというものではないらしい。本当はペース走やインターバルなど“教科書”に沿った練習をした方がよい。だが、計画的に走るような余裕はない。仕事の合間に時間を見つけて距離だけ稼ぎ、それで安心。こういう人が結構多いのではないだろうか。
■気持ちを切らない
走ることはつらいので、頑張る必要はある。練習で20キロの予定で走り始めたが、体が重いので、「10キロでやめ」と考える。そう考えたとたん、まだ2~3キロしか走っていないのに、足が止まるということがある。気持ちが切れるのだ。「無理しない」でなく、「やる気がない」ということになってしまう。
マラソンだけではない。何をやるときも「頑張るが無理しない」ならばよいのだが、「頑張る」と「無理する」の境目がどうもはっきりしない。自分はとことん頑張る。「無理している」とストップをかけてくれる人が周囲にいる。こうなればベストだが、人生はあいにくそれほど甘くない。
マラソンも同じだが、沿道に大応援団がいる分、救われる。マラソンはやはり、人生ほどつらくない。
東京マラソンの浅草(28キロ地点)折り返しは、江戸通りの駒形(こまがた)橋西詰を浅草寺(せんそうじ)へと折れる。雷門が目に飛び込んでくる。その手前を江戸通りに向けて右折。今度は前方にアサヒビール本社の奇妙なオブジェが見え、視界の左端を神谷(かみや)バーがかすめる。ビールまであと××時間。元気の出る瞬間が随所にある。
(内畠嗣雅(うちはた・つぐまさ)/SANKEI EXPRESS)
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