求人倍率最低 採用意欲低く、雇用「底」見えず
2009/06/30 21:23更新
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雇用をめぐる環境が厳しさを増している。政府は景気の「底打ち」を宣言したものの、雇用情勢はいっこうに「底打ち」の兆しが見えず、今後の景気回復の重しになりそうだ。(田端素央)
厚生労働省が30日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は0・44倍となり、過去最低に並んだ前月から0・02ポイント悪化し、最低記録を更新した。総務省が発表した5月の完全失業率(季節調整値)も前月より0・2ポイント上昇し5・2%となり、5年8カ月ぶりの水準へと悪化した。
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記事本文の続き 「求人が少ないので再就職にいたる割合が低く、失業者が増加している」。舛添要一厚生労働相が閣議後会見で語ったように、雇用悪化の主因は企業の採用意欲の低さだ。特に、正社員の有効求人倍率は前年同月を0・29ポイント下回る0・24倍。過去最悪の4月(0・27倍)を更新した。1つの仕事を4人が奪い合うという過酷な状況だ。
さらに深刻なのが新規求人数。前年同月比34・5%減と29カ月連続で減少し、下げ止まりの兆しが見えない。新規求人数は完全失業率など他の雇用指標に先行して動くとされ、「完全失業率は上昇を続けて6%に接近する」(みずほ証券の上野泰也エコノミスト)との見方が多い。
前月に5年半ぶりの5%台に乗った完全失業率も一段と悪化。政府が“臨界点”とみる過去最悪の5・5%(平成15年4月など)が近づいている。完全失業者数は前年同月比77万人増、就業者数は136万人減となり、ともに過去最悪。歴史的な雇用悪化局面を象徴する数字が並んだ。
企業は生産や輸出の最悪期を脱したとはいえ、残業短縮や休業日設定などで賃金抑制に努めている。昨秋以来の大規模な人員削減には一服感があるものの、多くの企業では雇用の過剰感が解消されないままだ。一部の内需型産業を除けば企業の採用意欲は乏しく、22年春の新卒採用は自動車でマツダが60%減、トヨタがほぼ半減。電機でもNECが88%減、シャープが60%減などと絞り込んでいる。
「企業の人件費調整は当面続き、雇用の過剰感が解消されるのは来年半ばごろ」(野村証券金融経済研究所)。改善の兆しが見えない雇用・賃金情勢が、個人消費を冷え込ませ、景気回復の阻害要因になっていく。
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