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【主張】鳥インフル研究 適切な管理に知恵しぼれ

2012/02/08 03:03更新

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 一歩誤れば自然界を先取りして重大な危機を招いてしまう研究を、どうすれば適切に管理できるか。鳥の間に広がる高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1の研究者がいま、その大きな課題に直面している。

 H5N1の人への感染例は散発的にしか報告されていないが、遺伝子が変化して、致死率が高く、人に感染しやすい新型インフルエンザのウイルスが出現すれば、たちまちパンデミック(世界的大流行)になるおそれもある。

 そうした事態に備え、研究に取り組んでいる世界の研究者39人が1月20日、研究を60日間、休止する声明を発表した。ワクチン開発などに成果が期待される一方、バイオテロなどに悪用され、人為的なパンデミックを引き起こす懸念もぬぐえないからだ。

 研究者が自らの仕事を休止し、立ち止まって考える姿勢を示したことは評価したい。

 この問題は昨年9月、オランダの研究者が、H5N1をもとにフェレットの間で次々に感染を起こすウイルスの作製実験に成功したとの研究発表を行い浮上した。フェレットはイタチに似た動物で、インフルエンザウイルスの感染様式が人によく似ているのだ。

 研究は米国政府の研究費で行われており、米国の大学でも日本人研究者らが、より致死性の低いかたちではあるが、同様のウイルス研究で成果を挙げている。

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記事本文の続き H5N1が人に感染しやすいウイルスに変化したら大変だという仮定の話ではなく、実験室段階ではもう、その大変なウイルスが存在していると考えなければならない。テロに悪用されたり、実験室から誤って漏れたりすれば、たちまち世界に広がりかねない。

 米国政府の専門委員会は英米の科学誌に対し、研究論文を発表する際には核心部分を伏せて掲載するよう求めた。研究者の間でも即刻、研究を中止すべきだと警告する意見もある。逆に情報規制による対策の遅れを懸念する研究者もいる。答えは簡単には出ない。

 世界保健機関(WHO)は今月16日に約50人の専門家を集め、国際会議を開く予定だが、研究者だけで判断できる問題でもなさそうだ。60日の休止期間はそれほど長くはない。科学的な観点で何ができるのかを整理し、政治の指導者らも含めた、より広い検討の場の確保を急ぐ必要がある。

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