JR西報告漏洩 あってはならない癒着だ
2009/09/27 08:14更新
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記事本文
【主張】
死者107人を出したJR福知山線脱線事故の調査にあたった国土交通省航空・鉄道事故調査委員会(現運輸安全委員会)の委員が、最終報告書の内容を事前にJR西日本の山崎正夫社長(当時)に漏洩(ろうえい)していたことが分かった。
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記事本文の続き 山崎前社長は調査対象者にもかかわらず、報告の内容修正まで要求していた。調査の公平性を疑わせることにもなりかねない不祥事である。遺族が強く反発しているのは当然だ。
運輸安全委によると、委員は山崎前社長の国鉄時代の先輩にあたる山口浩一氏で、事故原因調査の過程で山崎前社長側から働きかけを受けた。調査状況や内容を伝えたうえ、文書の一部をコピーして渡していた。
山崎前社長は、脱線現場となった急カーブに新型の自動列車停止装置(ATS)が未整備で、装置があれば事故を防ぐことができたとする報告書の内容に強く反発した。「後出しじゃんけんだ」として、山口委員に内容の削除や修正を求めた。
山口委員は委員会の懇談会の席上、山崎前社長の要求通りに文面の削除を求めたが認められず、結果として報告書には反映されなかったという。この過程で、山崎前社長は山口委員に飲食の接待までしていた。言語道断の癒着と言わざるを得ない。
この委員会は、航空事故や鉄道事故の原因解明にあたり、再発防止に必要な調査を行う国交省の審議会である。報告書を受けたうえで、警察や検察が刑事責任を問えるかどうかの捜査に乗りだす。委員は特別職の国家公務員で、「公正・中立」が大前提である。
JR西の脱線事故で、委員会は平成19年6月に最終報告書を公表し、制限速度を大幅にオーバーしたことが直接の原因と指摘した。そのうえで、JR西の企業体質にも触れ、運転士が「日勤教育を懸念」したのが遠因だとした。
日勤教育は乗務中にミスなどを犯した運転士を対象にした再教育制度である。懲罰的な側面が強く、運転士の心理的な負担も大きかった。委員会がここまで踏み込んだ報告書をまとめるのは異例であり、一定の評価を受けた。
運輸安全委は今後、委員の中に事故当事者との利害関係者がいないかどうか事前調査をする必要がある。同時に、秘密保持義務違反については、あらたに厳しい罰則規定を設けるべきである。
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