再上場へ攻めに転換 日航、安定株主確保・高収益持続に課題
2012/02/15 22:57更新
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日本航空は新たな中期経営計画で、リストラ路線から反転上昇を目指す姿勢を鮮明に打ち出した。今秋の再上場に向け、攻めの成長戦略を示すことで、新たな安定株主を獲得する狙いもある。ただ、2年前の経営破綻で債権放棄を迫られた金融機関や優先株に損失が出た商社などの取引先は、株式取得に慎重な姿勢を崩していない。世界経済の減速や燃料費の高止まりで経営環境が悪化するなか、新型航空機購入の投資負担も軽くはない。
「継続的に利益を出し続ける会社にしたい」
15日に就任した日航初となるパイロット出身の植木義晴新社長は会見で、意気込みを語った。
“親方日の丸”体質の日航にコスト意識を植え付けた稲盛和夫名誉会長も「なるべく保守的な数字を挙げ、達成できるようにした」と、目標達成に自信を示した。
計画の柱は国際線の強化だ。経営破綻時には政府内で「撤退」を求める声も出たが、稲盛氏が「国際線のない日航はあり得ない」と死守した事業だ。
欧米向け路線を開設し、大型機並みの航続距離を持ち、燃費効率が高い「B787」を投入。インド、東南アジアを中心にアジア路線も増便する。
欧州路線では英ブリティッシュ・エアウェイズと共同運航や航空券の共同販売などの連携を計画しており、昨年4月から実施している太平洋路線の米アメリカン航空と合わせ、運航コストの削減を図る。
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記事本文の続き 中期経営計画は再上場に向け、「投資対象に値するかを見極めるバロメーター」(証券アナリスト)となる。日航は現在、企業再生支援機構が96.5%を出資しており、再上場時に保有株を手放す。機構に代わる安定株主の確保は大きな課題で、融資するメガバンクのほか、取引がある大手商社、生損保、旅行会社に取得を要請する考えだ。
ただ、過去の日航支援で行った融資や出資で損失を被った取引先は「持ち合い株の解消を進めており、出資は難しい」(メガバンク関係者)などとし、反応は冷ややかだ。大手商社幹部も「過去に一度失敗しており、もう横並び保有の意識はない」と、“日航アレルギー”を隠さない。
積極投資にも不安がつきまとう。破綻後の投資は年数百億円程度にとどまっていたが、今後は年1千億円規模に増やす。資金は収益から自力で捻出するが、格安航空会社(LCC)などとの競争が激化するなか、計画通りに利益を出せるのか不透明だ。負担減が業績回復の一因だった減価償却費も逆に大きく膨らむ。
「稲盛氏から教えてもらったことがすべて」と植木社長は、コスト意識のさらなる徹底を強調する。上場後の株価を上昇させ、株主に報いることができるのか。その手腕が試される。
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