【ネット動画攻防戦】(上)広告を奪回せよ! ドラマ、バラエティーを2次利用
2009/05/17 19:09更新
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在京民放キー局5社のうち4社が平成21年3月期連結決算で減収減益を強いられるなど、世界的な景気悪化がテレビ局の経営にも影を落としている。新たな収益源の確保を目指し、各社が力を入れるのがインターネットを通じた動画配信だ。ネットへと流出する企業広告をどこまで奪い返そうと、NHKも交え、各社が激しい攻防戦を繰り広げている。
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記事本文の続き ■新たな収益源
「まさに今期の注力分野だ。番組制作費を削るのではなく、2次利用で将来的な収入につながる質の良い番組を作る」
今月14日に行われたフジ・メディア・ホールディングスの09年3月期連結決算の席上、嘉納修治常務は、新たな収益源としてのネット動画配信に強い期待感を示した。
他社に先駆け、同社は20年から、地上波で放送中の番組をネットで配信する「見逃しサービス」に取り組んでいる。
主に若年層向けのバラエティー番組やドラマなどが配信の中心で、ネットでの視聴も20、30代の女性が多い。携帯電話の利用頻度が高い層でもあるだけに、サービス開始以降、携帯会員数は「それまでの10倍程度増えた」(柴崎敦子デジタルビジネス推進部長)という。
当初、地上波で番組を見逃した人を主な視聴対象とみていたが、今年1月放送のドラマ「メイちゃんの執事」の場合、熱心な視聴者が「もう一度見たいと番組を購入する」(柴崎部長)など想定外の動きもある。1話当たり300円前後を払えば一定期間、何度でも見ることができるため、DVDに録画する代わりに利用するようだ。最近ではネット配信したドラマの最終回視聴率が伸びるといった効果も生まれているという。
■完全無料化で攻勢
昨年8月、動画配信で完全無料化を打ち出したのが、日本テレビ放送網だ。17年に開設した動画配信サイト「第2日テレ」をテレビに次ぐ広告媒体と位置づけている。
同社が配信するのは、地上波のバラエティー番組の未公開映像や、「スピンオフ」と呼ばれるドラマの番外編が多い。地上波番組の全編配信は、深夜ドラマなど一部に限る一方、無料という魅力が受け、3月のサイト閲覧数(ニールセン・オンライン調べ)は126万人。NHKを含む5社の自社サイトで首位に躍り出た。
「動画サイトと地上波の連動CMを制作した」(田村和人デジタルコンテンツセンター長)ことも奏功し、今年1月、単月ながら事業の黒字化を達成している。
テレビ番組のネット配信を促すため、日本音楽事業者協会など3団体は4月末、出演者の権利処理の窓口となる団体を設立した。これまで障壁となっていた、著作権処理の窓口を一元化したことで、テレビ番組のネット配信が一気に加速する可能性も出ている。
ただ、1本あたり数百万円規模の収入が得られる地上波のCMに比べ、ネットの収益は小さく、各局担当者は「通年での黒字化のメドはなかなか見えてこない」と言葉を濁す。
大容量コンテンツ向け通信インフラの整備が進む中、追い風を生かして収益拡大を実現できるか。テレビ各局の手腕と知恵が問われる。 (松岡朋枝)
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