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【クルマの達人】BMW「M3」 ロスのないパワフルな加速力

2009/07/13 18:59更新

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【クルマの達人】BMW「M3」  タイヤ周辺のボディーが張り出したオーバーフェンダーのせいか、国産セダン並みのサイズなのに迫力を感じさせる(ナンバープレート部分は合成)=東京都品川区の潮風公園 

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【クルマの達人】BMW「M3」  インパネやスイッチ類はシンプルにまとめられている
【クルマの達人】BMW「M3」  上質の本革シートは高級感にあふれ、スポーツシートの適度なホールド感が心地良い
【クルマの達人】BMW「M3」  リアは「3シリーズ」と同様にスッキリしたデザイン(ナンバープレート部分は合成)=東京都品川区の潮風公園

記事本文

 M3は、BMWの人気車種「3シリーズ」をベースに、モータースポーツで得た経験をつぎ込んでエンジンやサスペンションなどをチューンアップしたモデルだ。それだけにデザインは、日本のせせこましい街を走らせるのがもったいないくらい格好いい。試乗したのは、昨年10月にナビゲーションシステムなどを改良したセダンタイプ。黒光りするセクシーな車体で、切れ上がった鋭いヘッドランプと特徴的なフロントグリルは、黒ヒョウの荒々しい顔つきを連想させた。

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記事本文の続き 大振りの車輪のホイールは、足回りのたくましさを感じさせる。M3の誇る「すぐれた走行性能」というたい文句も「なるほど」とうなずける。車体サイズは国産セダンと大差ないのだが、重厚感をズシリと感じさせる迫力は、“レース仕立て”の特徴的なデザインが感じさせるものなのだろう。

 ■戦闘機の気分

 東京郊外から高速道路経由で東京・お台場地区へ出かけることにした。少し重たいドアを開けて運転席に乗り込む。高級感あふれるシートに腰を沈める。少し盛り上がったボンネットが視界に入る特徴的なデザインだ。前方両輪部分のボディーが張り出したオーバーフェンダーが、運転席から左右に膨らんでみえる。何だか戦闘機のコックピットに身を沈めているかのような気分にもなった。

 エンジンをスタートさせる。「ブル、ブルルン」という大きな音とともに、力強い振動が腕に伝わってきた。握り応えのあるハンドルを手にすると、「さあ、運転するぞ」というアドレナリンが全身を駆けめぐる。

 少し重たいアクセルを踏み、発進する。自動変速機(AT)モードでギアをDポジションに入れる。1速から7速までのうち最適なギアが自動的に選び出され、それに合わせて前方のモニター画面の表示が「D1」「D3」「D5」などと入れ替わるのが案外楽しい。存在感は抜群らしく、信号待ちで交差点に止まっていると、たくさんの歩行者の視線がこちらへ向くのが分かる。

 ■安心感と安定感

 インターチェンジから高速道路に入り、グッとアクセルを踏み込む。「いかにもマシン」といった感じの高らかなエンジン音が心地いい。「M DCTドライブロジック」と呼ぶトランスミッション(変速機)は快適そのもの。2つのクラッチを交互に作動させ、エンジンのパワーをロスなく伝えることができる仕組みゆえ、変速ショックをほとんど感じないまま、車はグングン加速していく。

 ただ、かつて試乗したフランス車のように、スピードが上がるほど「走り」が柔らかくなるような印象はない。むしろずっと重たいままなのだが、タイヤが路面にしっかり食い込み、しっかり足を踏みしめて走るような安心感と安定感を覚えた。

 高速道路を下り、目的地のお台場に到着。BMWの担当者からは「運転しやすい車ですよ」と言われていたが、確かにその通りだった。もっとも「日本にも、こんな素晴らしい車をかっとばすにふさわしい道路や広々とした町並みが、もっとあればいいのになあ」と、正直思わざるを得なかった。

 (文:山口暢彦/撮影:村山雅弥/SANKEI EXPRESS

       ◇

 ■やまぐち・のぶひこ 1998年入社。浦和(現さいたま)総局、静岡支局、東京本社整理部などを経て2007年から経済本部。現在、自動車業界を担当。クルマ歴はフォルクスワーゲン「ポロ」に次いで、日々の運転で燃費性能を生かしきれず“宝の持ち腐れ”(!?)のトヨタ「プリウス」。36歳。

       ◇

 【主要諸元(セダン)】

サイズ(ミリ)     全長4585×全幅1815×全高1435

乗車定員        5人

エンジン        V型8気筒DOHC

総排気量と最高出力   3999cc、420馬力

変速機         7速M DCTドライブロジック

10・15モード燃費  8.0キロ/リットル

本体価格(消費税込み) 1023万円

国内発売        2008年10月

       ◇

 【試乗記者の「独断」評価(10点満点)】

   項目        点     記者コメント

操縦感・乗り心地    9点  タイヤが道路に吸いつくかのような力強さがあり、「走りの楽しさ」を十分味わえる

エンジン        9点  アクセルに足を乗せた途端、力強く、瞬時に反応する。高らかなエンジン音を伴う加速感は最高

居住性・パッケージ   9点  上質な本革シートが心地よい。試乗車の赤茶系の色は好みが分かれるところ

安全性         8点  衝撃に応じて作動するアクティブ・ヘッドレストが標準装備されるなど先進機能に抜かりはない

燃費          7点  公称値には届かないが、走りを満喫できる性能を持つだけにやむを得ないか

総合評価        9点  文句なしに楽しめる。「環境」「安全」を売りにする日本の自動車業界の現状を味気なく感じてしまう

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