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稲盛氏会長就任のウラ事情 JALとウィルコムの意外な関係
2010/02/24 09:33更新
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稲盛和夫・京セラ名誉会長(78)の身辺がにぎやかだ。会社更生法適用を申請した日本航空の「再生請負人」として会長に就任した直後に、同じく同法適用を申請したウィルコムの取締役最高顧問を18日付で辞任した。両社とも官民出資の企業再生支援機構が支援する。実は、この2つの支援は“地下水脈”でつながっているという。
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記事本文の続き ウィルコムは稲盛氏の思い入れの強い事業だ。京セラの次に第二電電のDDI(現KDDI)を手掛けた稲盛氏が3番目に取り組んだのが、ウィルコムの前身であるPHS事業のDDIポケットだった。同社は、1994年に日本でPHSサービスが始まる際、DDIと親会社の京セラが出資して設立された。
稲盛氏の事業では、京セラが長男、DDIが二男、DDIポケットが三男という位置付けだ。
2000年にDDIが合併しKDDIになったのに伴い、DDIポケットはKDDIの子会社に組み込まれた。KDDIは携帯電話事業(au)を主力に置くため、PHS事業を切り離す。
「稲盛氏は自ら興したPHS事業の存続にこだわった。他社が撤退するなか、国内唯一のPHS事業者にとどまった。これが迷走の始まりです」(通信業界関係者)
京セラは04年、米投資ファンドのカーライル・グループと組み、DDIポケットをKDDIから2200億円で買収。PHS事業は、カーライルと京セラが設立した新会社が引き継いだ。それがウィルコムだ。
しかし、PHSは携帯電話に利用者を奪われ、追い詰められていく。
「稲盛氏は08年11月、NTTの三浦惺社長との極秘会談で、NTTコミュニケーションズによるウィルコム買収を提案した。稲盛氏といえば、旧第二電電を立ち上げた反NTTの急先鋒。宿敵に頭を下げたわけだが、断られた」(同)
身売りに失敗し、ウィルコムの主力銀行は借り換えに難色を示した。同社は事業再生ADRを活用し、借金返済の引き伸ばしに出た。
この私的整理には銀行団の合意が不可欠だが、交渉は難航した。
「交渉が決裂すれば、ウィルコムは破産するしかない。破産を避けるため、企業再生支援機構に支援を要請した。公的組織である支援機構が支援に乗り出せば、三菱東京UFJ銀行などの銀行団も債権放棄に応じるからだ」(銀行関係者)
三男坊の窮地に、生みの親の稲盛氏は身をていして救援に乗り出す。稲盛氏が日航の「再生請負人」を引き受けたのは、ウィルコムを意識してのこととみられる。
「稲盛氏は民主党支持を鮮明にしている唯一の経済人。民主党が頼み事をできる経済人は稲盛氏しかいない。日航会長の人選に当たり、民主党はさまざまな財界人に声をかけたが、すべて断られている。結局、稲盛氏にすがるしかなかった。稲盛氏が日航会長を引き受けたのは、民主党に貸しをつくることで、支援機構によるウィルコム支援を確実なものにする狙いがあったのは間違いないだろう」(同)
稲盛氏の日航会長就任と、支援機構によるウィルコム支援はワンセットというわけだ。
世のため、人のために事業を興すという稲盛氏の経営哲学が、PHS事業から撤退ができなかった要因。稲盛氏が、2次破綻のおそれも指摘される日航の「再生請負人」という火中のクリを拾ったのは、PHS事業から撤退できなかったことの代償でもある。
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