【おすすめの一冊】『イギリス流「融通無碍」のススメ』渡辺幸一著
2009/05/22 14:11更新
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記事本文
勤務中のジム通いは健康管理の一貫だと暗黙の了解で見逃し、解雇された同僚と有力な取引先の社員として再会することもある。ロンドンの金融街シティに18年間勤務した著者が肌で感じたイギリスのビジネス流儀は、柔軟で臨機応変だ。
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記事本文の続き 彼らのスタイルをひと言で言い現したのがタイトルの「融通無碍」である。一つの考え方に執着するのではなく、自由自在に物を見て考え、よりよく対処していく。個性豊かなイギリス人の発想と行動は、われわれ日本人にとって示唆に富む。本著はイギリスで日本語新聞に連載したエッセーに加筆したもので、さまざまなシーンを通してイギリス人の日常や価値観を知ることができる。
現在の世界同時不況はイギリスにも大きな影響を及ぼしている。金融業界では大手銀行が公的投資を受けなければならない状態に陥った。事態が深刻であるにもかかわらず、イギリス人の受け止め方は意外に冷静だ。
70年代の大不況を乗り越えたという背景はあろうが、新聞や雑誌では「この不況を契機に基本に返ろう」という主張が語られる。好景気に浮かれた過度な消費を見直し、この不況をよき転換点ととらえる。このような客観的な態度を取れるところが、イギリス流の「融通無碍」なのだろう。
不況の今だからこそ、イギリス人の生き方には大いに学ぶべき点を感じる。(講談社、880円)
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