韓国メディア「被害者の証言に寄り添え」の詭弁 「軍艦島」展示を取材せず報道…情報センターで目撃した驚くべき会話

 世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」に関する「産業遺産情報センター」(東京・新宿)が公開されたことについて、韓国政府や韓国メディアが猛反発している。韓国外務省は23日、世界文化遺産登録の取り消し検討を求める書簡を、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に送付した。これに対し、情報センター側は、韓国メディアの中に、批判の核心部分である通称「軍艦島」(=長崎県の端島炭坑)の展示ゾーンを取材せず、貴重な元島民の証言などを無視して報道している社があることに驚き、あきれているという。ジャーナリストの大高未貴氏が緊急リポートする。

 情報センターは、「明治日本の産業革命遺産」(福岡など8県23施設)が世界文化遺産に登録される過程で、韓国側が軍艦島などで「朝鮮半島出身者に対する非人道的な強制労働が行われた」と反発したことを受け、日本政府が設置を表明していた施設だ。

 国内外の産業遺産や産業史の史料収集、調査研究、広報活動、教育・研修などを推進し、情報発信を行う。3月31日に開設したが、新型コロナウイルスの影響で臨時休館となり、15日に完全予約制で公開を始めた。

 ところが、韓国外務省報道官は開館当日、「施設の展示に日本が約束した後続措置が全くなされていないことに強く抗議する。歴史的事実を完全に歪曲(わいきょく)した内容が含まれ、甚だしく遺憾である」との声明を発表。同省の李泰鎬(イ・テホ)第2次官は同日、冨田浩司・駐韓日本大使を呼び抗議した。

 私(大高)は23日、加藤康子センター長の説明を受けながら、施設を回った。16日に続き、2回目の取材だ。韓国の放送局も一緒だったが、驚くべき会話を目撃した。

 韓国の放送局「なぜ、報道規制がこんなに厳しいのか? 韓国メディアだけに厳しいのか?」

 加藤氏「とんでもない。今日も日本のテレビ局より先に、韓国メディアの取材を受けている。韓国メディアの中には(軍艦島の展示部分を)取材していないのに、取材したかのように報道している(社がある)。私も含めて(日本側の)発言が一人歩きしている。そういった齟齬(そご)が起きないように、こちらも記録(=録画)をとらせてもらっている」

 関係者によると、報道向けの事前公開が行われた14日、韓国メディア3社が取材に訪れたが、1社以外は「時間がない」と言って、軍艦島の元島民の証言や、徴用関係の資料が展示されている「第三ゾーン」には足を踏み入れずに帰ってしまったという。

 第三ゾーンでは、在日韓国人2世の元島民が「端島炭鉱で働く『伍長』のお父さんを誇りに思っていた」「朝鮮人が鞭で打たれたといったことはあり得ない」という証言が公開されていた。

 また、台湾人徴用工に支払われていた「給与+ボーナスの明細書」「徴用に関する政府の公式文書」「朝鮮半島の報道記事」なども閲覧できた。

 取材を終えて、質問タイムとなった。韓国で軍艦島の悲惨さを訴えている具然●(=吉を2つヨコに並べる)(グ・ヨンチョル)氏について、軍艦島出身で、情報センターの主任ガイドを務める中村陽一氏も加わり、以下の会話があった。

常套句「被害者の証言に寄り添え」でなし崩し

 加藤氏「具氏は著書に、中国人1000人を坑内に閉じ込めて爆破したなどと書いており、非常に問題だ。米ニューヨークのタイムズ・スクエアに『軍艦島で朝鮮人122人が殺害された』という広告も出た。こうした事実は絶対にない」

 韓国の放送局「何を証拠に?」

 加藤氏「こちらには、1943年以降、1年間に炭鉱で何人亡くなったといったデータが残っている。元島民の方々は、具氏の証言に疑問を持っている。事実を検証するため、昨年12月に面会希望の書簡を送ったが、返事がない。ぜひ、韓国メディアには、具氏と元島民の意見交換の機会を設ける協力をいただきたい。もし、具氏の証言が事実でなければ、元島民には冤罪(えんざい)となる。次世代に正しい歴史を継承していきたい」

 韓国の放送局「朝鮮・台湾・中国人が過酷な中で強制労働を強要されたという、日本大使の言葉に反することになりますが」

 加藤氏「なぜですか? 炭鉱の事故はきちんとデータで出します。朝鮮半島の方、日本人の方のデータも出します。でもデータを捏造(ねつぞう)はできません」

 韓国の放送局「日本政府の公式発表でも、過去に森友学園問題や財務省問題などが捏造発表されていましたね」

 中村氏「軍艦島では強制労働などなかったのに、なぜ韓国メディアは『あった』と報じるのですか? なぜ韓国の方が軍艦島を地獄島などと言っているのか、教えていただきたい。(私は軍艦島出身者として)元島民の証言を無視したウソが世界中に広まって、やりきれません」

 韓国の放送局「あなた方の証言を信じてくださいといいますが、ならば具氏の証言を真実だと受け止めることは不可能ですか? 被害者の証言に寄り添っていただけませんでしょうか?」

 何とも、後味の悪い取材だった。

 過去の慰安婦問題でも、「被害者に証言に寄り添う」といって、その証言内容の検証に踏み込むことはタブーとされ、なし崩し的に「河野洋平官房長官談話」が発表されて、慰安婦像が世界中に設置された。

 韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)の幹部だった李容洙(イ・ヨンス)氏の告発により、元慰安婦が活動家たちによって政治利用されてきたことが明白になった今、再び日韓両国が同じ過ちを繰り返す必要は微塵もない。

 ■大高未貴(おおたか・みき) 1969年、東京都生まれ。フェリス女学院大学卒業。世界100カ国以上を訪問。チベットのダライラマ14世、台湾の李登輝元総統、世界ウイグル会議総裁ラビア・カーディル女史、PLOの故アラファト議長などにインタビューする。またアフガン問題ではタリバン全盛の98年にカブール単独潜入し、西側諸国ではじめてアフガン崩壊の予兆を報道。『日韓“円満”断交はいかが?女性キャスターがみた慰安婦問題の真実』(ワニ新書)、『日本を貶める「反日謝罪男と捏造メディア」の正体』(WAC出版)など多数。

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