文政権に「新疑惑」! 蔚山市長選に介入? チョ元法相が現職市長周辺の捜査指示か

 韓国政界に激震が走っている。朝鮮日報が、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の友人が出馬・当選した昨年の蔚山(ウルサン)市長選の直前、大統領府(青瓦台)が、現職市長周辺の捜査を警察に指示したという衝撃的疑惑を報じたのだ。事実なら、露骨な選挙介入といえる。大統領府の指示は、文氏の最側近で、当時、法務行政全般に影響力を持つ民情首席秘書官だった「タマネギ男」ことチョ国(チョ・グク)元法相が行ったという。文政権は、米国の「強烈な圧力」に屈して、日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を維持したことで猛批判を浴びているが、絶体絶命の窮地に陥るのか。

 朝鮮日報が27日、トップ級ニュースとして報じたのは、2018年6月に行われた蔚山市長選をめぐる文政権の疑惑だ。

 蔚山警察庁は昨年3月、当時市長だった保守系の金起ヒョン(キム・ギヒョン)氏の側近が、生コン業者の選定で特定業者に便宜を図った疑いがあるとして、市役所の秘書室長室など5カ所を家宅捜査した。この捜査は、大統領府に君臨していたチョ国(チョ・グク)氏による指示がきっかけだったといい、同紙は「下命捜査」と記した。

 警察は同年5月、金氏の弟と側近らを弁護士法違反容疑などで検察に送検した。翌月の市長選は、金氏が落選し、文大統領の長年の友人という左派系与党「共に民主党」の宋哲鎬(ソン・チョルホ)氏が当選した。何と、チョ国(チョ・グク)氏は12年の選挙で宋氏の後援会会長を務めていたという。

 選挙から9カ月後、検察は金氏の弟らを「すべて無嫌疑」として処理した。

 現在、チョ国(チョ・グク)氏関係の捜査を進めている検察は、文政権主導とみられる選挙介入疑惑についても本格捜査に着手したという。

 朝鮮日報の衝撃記事を受け、現地の中央日報や東亜日報、一部テレビが後追い記事を始めた。ただ、大統領府報道官は左派系新聞を通じて27日、「下命捜査は事実無根」と否定した。

 朝鮮日報は28日朝刊でも、検察が近く、チョ国(チョ・グク)氏の元秘書官を事情聴取する、という続報を伝えた。なぜか、朝鮮日報(電子版・日本語版)は同日午前9時時点で、このニュースを掲載していない。

 蔚山市は、韓国七大都市の1つで、同国南東部に位置する。人口約115万人。韓国を代表する自動車メーカーである「現代(ヒュンダイ)自動車」のお膝元であり、同国屈指の工業都市といえる。

 韓国サッカーKリーグ1部「蔚山現代FC」のホームタウンであり、人気女優のキム・テヒさんの出身地としても知られる。山口県萩市とは姉妹都市で、新潟市や熊本市とは友好都市である。

 今回の疑惑のキーマンであるチョ国(チョ・グク)氏といえば、文氏の肝いりで検察改革を推し進める法相に任命されながら、娘の進学に関する不正や、妻の私募ファンドへの不透明投資など、次から次へと疑惑が噴出して、10月に法相を辞任した人物だ。検察は14日からチョ国(チョ・グク)氏本人に対する聴取を進めている。

 文政権を直撃した選挙介入疑惑をどう見るか。

 韓国事情に精通するジャーナリストの室谷克実氏は「チョ国(チョ・グク)氏への捜査の進展が(選挙介入疑惑発覚の)きっかけだろう。蔚山市長選では、交番に野党批判のポスターが掲示された。まともな法治国家・民主国家とはいえない。検察は、蔚山地検からソウル中央地検に担当を移して本格的捜査するようだ」と語る。

 当然、政権中枢への疑惑波及も予想される。

 文政権は、米国の圧力に屈してGSOMIA破棄を回避したため、保守陣営だけでなく、岩盤支持層だった左派陣営からも「無能外交」「恥辱・屈辱だ」などと糾弾されている。レッドチームの中国と北朝鮮も激怒したとされる。新たな疑惑発覚で、文政権はどうなりそうか。

 前出の室谷氏は「文政権は来春の国会議員選挙を見据えて、死に物狂いで野党を弾圧しにかかるだろう。検察がさらに疑惑捜査を進めても、検察も政権内部の組織だ。いざとなれば検事総長を更迭し、蔚山の事件そのものをうやむやにする可能性がある」と指摘している。

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