韓国の大気汚染“共犯”は北朝鮮 中国とは“主犯”めぐり責任転嫁

 【外信コラム】ソウルからヨボセヨ

 韓国の趙明来(チョ・ミョンレ)環境相の最近の国会答弁を知って、膝を打つ思いがした。ソウルが一時、大気汚染度で世界ワースト1を記録し、国民的関心事である微小粒子状物質「PM2・5」について、「北朝鮮からも多く降ってきた」「平均で(全体の)13%程度だ」と説明したのだ。

 時期にもよるが、韓国のPM2・5の約4割が中国から飛来し、約4割が国内で発生したとの見方もある。韓国の空気汚染の“主犯”をめぐって中韓が責任転嫁し合う中、残りはどこから来たのか気になっていたが、韓国の最新の研究では、首都圏で15%前後が北朝鮮から流れ込んだと分析されている。

 数年前に平壌を訪れた際の北朝鮮側案内人の言葉を思い出した。彼は開口一番、「空気だけはきれいでしょう」と尋ねてきた。北朝鮮も中国から飛来する汚染物質に苦労させられていると聞いていた上、空もかすんでいたので「いいえ、中国のせいで大変ですね」と返すと、ムッとしていた。外国人へのつかみの質問を台無しにしたようだ。

 北朝鮮では、練炭やまきが暖房などの主力なため、エネルギー消費量に比べて空気汚染は深刻だという。国民を腹いっぱい食べさせるという祖父の代からの目標も達成できない金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長にとってPM2・5対策どころではないだろうが。(桜井紀雄)

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