中国の若者に蔓延、自虐的「喪」の気分 “後ろ向き”お茶屋さんブームに

【河崎真澄のチャイナウォッチ】

 「人生まさに一杯の大失敗ウーロン茶」「昇格の望みなし紅茶」-。皮肉まじりで後ろ向きのネーミングばかり並ぶお茶のチェーン店「喪茶(song tea)」が、中国の若者に静かなブームを引き起こしている。厳しい競争社会で何をやってもうまくいかないと感じている10代から20代の男女がお客さんが大半だ。この世代はネット上でもどこか退廃的な発言が多く、その言動が「喪の文化」と呼ばれ始めた。そんな喪失感はどこから来たのだろう。

 上海市内の人民公園近くにある「喪茶」で、「元カレが私より良い生活をしている紅茶」を18元(約300円)で買っていたメーカー勤務の女性(24)は、「こっちの『お金がないから美容整形できないお茶』にしようかと思ったけど、あまりに今の気分にピッタリすぎて」と笑顔をみせた。

 店のメニューもお客さんも冗談半分で、少し自虐的に「喪」の気分を味わっていた。2016年の夏に広東省広州市で開業したという「喪茶」だが、1年半たらずで北京や上海など沿岸都市部を中心に、全土に500店舗以上も広げた。

 ただ、ネット上で蔓延(まんえん)する「喪の文化」はもう少し深刻な雰囲気だ。投稿イラストで、悲しそうな表情の青カエルが、「春節(旧正月)の休みに誰とも会う約束がない」「無理やりの笑顔」などつぶやく。擬人化した魚は、「一杯の苦い酒を痛飲する」「ひとりで死なせてくれ」となどと涙ながらに叫び声を上げる。

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