朴槿恵前大統領への重刑は不可避 求刑は懲役30年と罰金118億円

 【ソウル=名村隆寛】韓国の前大統領、朴槿恵被告に対する27日の論告求刑公判で、検察は懲役30年と罰金1185億ウォン(約118億)を求刑し、韓国の憲政史上初の大統領弾劾、罷免に至った事件の裁判は結審した。出廷拒否を続ける朴被告は「韓国の憲政史に消せない汚点を残した」(検察)と指摘され、重刑判決は不可避な情勢だ。

 検察は論告で「国政に一度も関わったことがない者に国政運営を任せ、国家の危機事態を招いた張本人だ」と朴被告を批判した。朴被告が国政運営を任したとされるのが、親友で女性元実業家の崔順実被告だ。

 崔被告は検察から懲役25年を求刑され、今月13日の1審判決で朴被告と共謀し財界に資金拠出を強要した収賄などの罪で懲役20年の実刑判決を受けた。検察は、前大統領の朴被告にはより重い刑を求めた。

 検察は論告で「過去の権威主義政権で行われた政経癒着の弊害を踏襲した」「事件は韓国史に消せない傷として記録される」と批判。一方で「国民の力で民主主義と法治主義を立て直す契機になった」「こうした悲劇的な歴史が繰り返されないよう知らしめるには、厳罰で責任を問わねばならない」と強調した。

 過去、積み重ねられてきた弊害に対する批判、国民の力、民主主義。これらの表現は文在寅大統領が政権発足前から強調しており、求刑は文在寅政権の意向に沿った色合いが濃い。同時に見せしめ的な面も否定できない。「残忍な求刑で、政権の趣向に合った量刑」(最大野党、自由韓国党)との批判もある。

 朴被告は、昨年10月に地裁が最長6カ月の勾留延長を決定した際、「法治の名を借りた政治報復だ」と反発し、弁護団全員が辞任した。国選弁護人が選ばれ公判は再開したが、朴被告は「不利益」が生じる可能性を地裁から言われたにもかかわらず、求刑公判まで出廷を拒否し続けた。

 地裁は崔被告の判決で朴被告との共謀を多く認定しており、朴被告にも重刑が科されるとみられる。重刑が予測される判決公判も、朴被告はボイコットする公算が大きい。

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