カナダの乱、背景にNAFTA再交渉 大筋合意で同床異夢 署名式に向け不安も

 【ダナン=田辺裕晶】11日に大筋合意を正式発表した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加11カ国による大詰めの協議は、合意をためらうカナダの動きで混乱を極めた。カナダは最終的に大筋合意に応じたものの、胸中には、合意を受け入れた場合に米国との北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で不利になるとの思惑があったようだ。11カ国は年明けにも署名式を行う方向だが、現在の枠組みを維持できるか不安を残す顛(てん)末(まつ)となった。

 「署名できる段階じゃない。今日はサインしない」

 カナダのトルドー首相は10日午後開かれた安倍晋三首相との首脳会談でこう述べ、首脳による合意宣言に難色を示した。1時45分開始予定のTPP首脳会合のわずか30分前のことだ。

 ただ、安倍首相が「何が問題か言ってほしい。改善しよう」と提案しても、具体的な説明はなかった。もともと大筋合意は政治的懸案を決着した段階の呼称で、署名は条文作成や法的整合性の確認などが済んだ後の話。交渉筋は「最終合意と勘違いしたのではないか」と指摘する。

 ダナンでの大筋合意に暗雲が漂うなか、日本は開催地の面目が潰れ怒り心頭の共同議長国、ベトナムのアイン商工相と接触した。

 TPPは12カ国での現協定でも閣僚間の合意を大筋合意としており、今回、首脳会合で宣言の場を設けたのは式典の色合いが強い。

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