米国どう出る NAFTAでもTPP結びつけ協議、「高水準」が両刃の剣に

 【ワシントン=塩原永久】環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の参加11カ国が大筋合意に達するなか、TPP離脱を決めたトランプ米大統領はあくまで2国間の通商協定を進める考えだ。今後の通商交渉では自ら離脱したTPPの合意水準さえ交渉材料にし、相手国に圧力をかける戦略も見え隠れする。

 「多国間の貿易協定は米国の手を縛ることになる」

 トランプ氏は10日、ベトナム・ダナンでの演説でTPPのような巨大自由貿易協定(メガFTA)に改めて背中を向けた。11カ国は米国復帰を望んでいるが、トランプ氏から前向きな発言は出てこない。

 しかし11カ国の大筋合意を受け、国際競争で不利になる米国の農業団体などがトランプ氏に対応を求めるのは必至。トランプ氏は北米自由貿易協定(NAFTA)や米韓自由貿易協定(FTA)の再交渉を優先しているが、日本を含むTPP経済圏の魅力は大きい。

 こうしたなか米政府が他国との通商交渉にTPPを結びつける「リンケージ」を打ち出す姿勢も浮かぶ。米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表はNAFTA再交渉に関し、メキシコやカナダがTPPで一度は合意した条件にも歩み寄ろうとしないと不満をあらわにしている。

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