「独立」だけが看板 元記者が舵取り役に カタルーニャ自治州首相

 【パリ=三井美奈】スペインのカタルーニャ自治州で独立への動きを主導するカルレス・プチデモン州首相(54)の原点は、1975年まで続いたフランコ独裁による民族文化弾圧への反発にある。

 カタルーニャは30年代の内戦中、左派・人民戦線の最後の拠点となり、右派フランコ率いる反乱軍と激戦を展開。プチデモン氏はフランコ政権時代、東部ジローナ県の小村で製菓店の息子として生まれた。住民は公式の場でカタルーニャ語の使用を禁じられ、幼少時はスペイン語教育を強要された。この経験から民主化後、地元の大学で言語学を学び、独立派政党の青年部に参加した。

 地元紙の記者から英字紙の編集長に。1992年のバルセロナ五輪にあわせてカタルーニャ情報を世界に伝えた。インターネットの発信にこだわり、州政府の支援を受けて英語版ニュース通信社を設立した。

 政界入りは2006年の州議会入りから。11年にジローナ市長に就任した。

 15年の州議会選では、プチデモン氏が加わる独立派4党主導の政党連合が第一党になったものの、過半数に満たなかった。左派をもう一党加えた組閣協議は難航。当時のマス州首相は退任を迫られ、16年1月、「独立派をまとめられる人物」として後任を託された。短期間で州首相に上り詰められたのは、小党分立で内紛が絶えないカタルーニャ政治の所産だ。

 政治家としての実績はなく「独立」だけが看板の元記者が州政治のかじ取り役になり、住民投票へと突っ走った。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ