市民運動の立場で国際世論盛り上げた平和賞受賞のICAN 米露不参加など課題も

 【ニューヨーク=上塚真由】ノーベル平和賞受賞が決まった国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)は市民運動の立場から国際世論を盛り上げ、「核兵器禁止条約」の実現に寄与した実績が評価された。ただ、同条約には世界の9割の核兵器を独占する米国やロシアが不参加のままで、核廃絶実現には大きな課題が残っている。

 核兵器の開発、保有、使用などを包括的に禁止する条約は今年7月、ニューヨークで開かれた国連会議で122カ国が賛成して採択された。発効には50カ国の批准が必要で、国連事務局によると、10月5日時点で53カ国が署名、うち3カ国が批准書を国連に寄託した。

 禁止条約の実現に主導的な役割を担ってきたのが、約100カ国のさまざまな団体の連合体であるICANだ。核兵器廃絶を目的に2007年に設立して以降、核兵器の危険性を訴えるとともに、禁止条約に賛同するよう各国政府に精力的に働きかけを行ってきた。

 ICANはニューヨークの国連本部で開かれた16~17年の禁止条約の交渉会議にも参加。非核保有国で条約を推進してきたオーストリアやメキシコなどと緊密に連動し、条約交渉に大きな役割を担った。ベアトリス・フィン事務局長は採択を受けて「核時代終焉(しゅうえん)の幕開けとなることを願う」と強調。ICAN設立から10年で“第一歩”を踏み出したことに、「核兵器のない世界」を目指す日本の被爆者らの期待も高まる。

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