マクロン仏大統領、共通防衛予算など提唱 EU改革加速狙う

 【ベルリン=宮下日出男】フランスのマクロン大統領は26日、欧州連合(EU)改革に関してパリで行った演説で、EU共通の防衛予算創設や難民対策など治安・防衛や経済に及ぶ広範な統合深化を提唱した。ドイツが総選挙を終えたことを踏まえ、改革議論を主導し、加速させたい考え。

 マクロン氏は演説で「われわれの将来を保証する唯一の手段は、主権に基づき団結した民主的な欧州の再構築だ」と訴えた。

 防衛では共通予算とともに、EUとしての戦略を定める軍事ドクトリンを作成し、加盟国の軍と危機に共同対処する即応部隊の創設を提案。難民・移民対策では難民事務所などを設けて認定手続きの迅速処理や、拒否された申請者の送還強化を図る考えを示した。

 経済では、加盟国間の賃金格差を背景とした人の移動が反EU勢力台頭の一因になったとされることも踏まえ、最低賃金制度の導入を主張。ユーロ圏改革の一環として域内投資や経済危機対応のための共通予算の必要性も改めて訴えた。

 マクロン氏がこの時期に提案したのは、ドイツの次期政権樹立に向けた今後の連立交渉の議論に反映させるためだ。演説では「ドイツに新たな友好関係を提案する」と呼びかけた。

 ドイツでは、「議論すべき興味深い演説」とするメルケル首相周辺の見方を南ドイツ新聞が伝える一方、次期政権への参加が期待される中道の自由民主党からは、ユーロ圏共通予算への懐疑的な反応も上がった。

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